産業医が教える「忙しすぎる“働くお母さん”に必要な休み方」ホントのところ

やりくり上手な働くお母さんは「こう」している

 保育園の預かり保育を、仕事のためではなく自分のために週1回、30分延長してみる。その時間、ウィンドウショッピングしたり、カフェで読書や一息するだけで、とても心は落ち着き満たされるようです。  最近は家事代行を頼む人も増えてきました。私もやりくり上手な働くお母さんたちから、「使ってよかった!」という感想を多々聞きます。「時間をお金で買う」という感覚は、ご自分(やご主人、そして子供たち)のためになります。家事代行を頼んでよかった、自分の罪悪感や責任感に勝るとの声はよくあります。  まずは週末は夫婦で話し合い、順番に自由な時間を過ごすことを半日からでも初めてみてはいかがでしょうか。  多くの人は、疲れてから休みます。ストレスが溜まってから解消しようとします。しかし、やらなければならないことに責任感、できないことに残悪感を覚え、自責の念に囚われている働くお母さんは、そのような考え方はできないようです。  そして、症状がさらに悪化するまでは、仕事を頑張ってこなすものの、エネルギーの充電ができず、日々の生活に疲れ、肉体的にも精神的にも磨耗消耗してしまっています。  あらかじめ自分のオフタイム、休憩時間を決めておくことが有効なこともあります。特に働くお母さんたちには仕事と家事育児以外で自分の時間を取ることは、自分のためだけではなく、ご主人や子供達のためにもなることを知ってほしいと思いました。
武神健之氏

武神健之氏

<TEXT/武神健二> 【武神健之】 たけがみ けんじ◯医学博士、産業医、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。20以上のグローバル企業等で年間1000件、通算1万件以上の健康相談やストレス・メンタルヘルス相談を行い、働く人のココロとカラダの健康管理をサポートしている。著書に『職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書―上司のための「みる・きく・はなす」技術 』(きずな出版)、『不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣 』(産学社)、共著に『産業医・労働安全衛生担当者のためのストレスチェック制度対策まるわかり』(中外医学社)などがある
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