「メールを返信してこない人」はなぜ返信してこないのか?

賛成なのか反対なのかわからない

 どのように返信したらよいか考えているうちに、時間が経ってしまったケースや、依頼に対する対処が完了していないケースでは、とりあえず、これから検討したり対処したりするので、まずはメールを受信したという返信をするだけでもよいと思います。  同様に、次に会った時に口頭で話そうと思ったのであれば、その旨をメール返信すればよいでしょう。  依頼に対して断るのは失礼なので、応じられないという意思を、返信しないことで示そうとしたというケースは、これは受け取る側によっては、異論がないから返信しないケースと、賛成できないので返信しないケースとの峻別が難しいのです。  私がかつて在籍したグローバル企業では、メール返信してこない海外オフィスの同僚が実にたくさんいました。日本法人の中では、Aさんが返信して来ないのは少なくとも反対しないという意思表示、Bさんが返信して来ないのは賛成しないという意思表示、Cさんは不明……という解読表のようなものがあったほどです。  一般社団法人日本ビジネスメール協会の調べによれば、7割を超える人が「1日(24時間)以内」に返信が来ないと遅いと感じるといいます。(参照:http://businessmail.or.jp/archives/2017/06/02/7246)  本人にとっては業務効率の向上であるかもしれませんが、周囲にとっては非効率極まりなく、またストレスを感じさせる事態を生んでしまっているのです。 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第69回】 <文/山口博> 【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある。
(やまぐち・ひろし) モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
1
2
3
チームを動かすファシリテーションのドリル

「1日1分30日」のセルフトレーニングで、
会議をうまく誘導し、部下のモチベーションを自然にあげられるようになる!