他社が手を出さない華やかなデザインを取り入れる遊び心の「
P.S.FA」。
P.S.FA
クールビズから数年間、襟高のイタリアシャツが当時流行っていましたが、これにいち早く反応したのが同ブランド。ドゥエボットーニ・トレボットーニと呼ばれる台襟に2、3個ボタンがついたシャツを、業界でいちばん多く扱っていました。
ほかにも同ブランドの定番である鮮やかな色のソリッド(無地)ネクタイ、スーツのファブリック(生地)とレザーのコンビネーションバッグなど、全身コーディネートのアクセントになる商品が見つかります。ただし、「デザインはステキだけれども生地が安っぽい気がする」という辛口な声もクライアントから耳にすることがあります。
ただ、近年では人気ファッション誌『SMART』とコラボレーションやさまざまなアップデートを続け、商品クオリティーも向上したように私は見ています。また、最近ではアクセントになるアイテムをワンポイント利用する機会が増えています。
ビジネスとカジュアルのハイブリッド!? ORIHICA
Original High Category(独創的で高いレベルの切り口)の頭文字を由来とする「
ORIHICA」。
全国にある店舗のモチーフは、もともと表参道にあったコンセプトショップをイメージしています(現在、プレスルーム兼デザインオフィス)。
英国人のサリーム・ダロンヴィル氏がクリエイティブ・ディレクターを務める同ブランドでは、そのネーミング通り、スーツの胸元にワンポイントになるピンをつけたスーツジャケット、週末に合うカジュアルジャケットなど「ビジネスファッションのポップな着こなし」を裏テーマにしているよう私には見えます。
ビジネスファッションにカワイイを取り入れたデザインが見受けられるため、好みは分かれるかもしれません。定型的なビジネスファッションではなく、個性をアピールしたいビジネスマンに向いています。親しみやすい印象にはなるでしょうが、高級感を目指している感じはしません。
さて、気になるツープライススーツブランドは見つかりましたか? 各社の特徴を理解したうえで店舗に行ったとき、いつもと違う風景が見えるはずです。最後に失敗しないツープライススーツの選び方をお教えします。
コート、ジャケット、スラックス、シャツなど、サイズがある服は体に合わせることから始まります。そこで、プラス数千円のお直しサービスを利用しましょう。お直しせずに服を買うことで残念に見えるリスクが生じます。
スラックスの裾上げを利用している方は多いでしょうが、ジャケット、コート、シャツの袖詰め、ジャケット、コートの着丈詰め、スラックスのウエスト、裾幅詰めなど各社ともお直しサービスを用意しています。ビジネスファッションは、身体に合うようお直しするところから始まるのです。
森井良行氏/服のコンサルタント。モットーは「プロの目線でユニクロも好印象!」
<文/森井良行>
【森井良行】
株式会社エレガントカジュアル代表取締役。’79年 千葉県出身。服のコンサルタント、「プロの目線でユニクロも好印象!」をモットーとして、のべ4000人を超えるビジネスマンの買い物に同行。公式サイト「
エレカジ」にて、自身がリサーチしたアイテム情報など随時更新中。上場企業から「営業マンのための印象研修」を請け負っている