カメルーンのカカオ加工業者など、ユニークな商品も増えている。途上国の発展支援といった側面もあるのだ
また、国内不動産や再生可能エネルギーといった商品以外に注目されているのが、海外の中小企業などに貸し付ける商品だ。海外商品に特化した「クラウドクレジット」のサイトを見ると、「カメルーン農業支援ファンド」「バルト三国自動車リースファンド」など、聞き慣れない商品が並ぶが……。同社の森川晃次氏は次のように解説する。
「国や地域によっては商業銀行に融資する力がないところがあります。日本の審査基準であれば、借りるに足りうる信頼性の高い企業でも、なかなか融資を受けることが難しい。また、例えばカメルーンでは、口座のない人も多く、融資を受けるとなると、さらに難しい。そこでSLを利用して、資金を調達するんです」
なんとなく、のどかな農村をイメージしてしまうが、実際は大手穀物メジャーと取り引きするカカオの加工業者などで、財務体質は悪くないという。
「我々が扱っている商品はすべて現地のパートナー企業がおり、しっかり審査をしています。利回りも非常に高いですし、途上国の発展にも貢献できるので面白い商品だと思いますよ」
他国の仲介業者との提携が進めば、海外のファンド商品はさらに増えるはずだ。
《主なソーシャルレンディング事業者》
●maneo
平均利回り:7.05%
国内最大手でこれまで約900億円を運用
担保あり率:68%
サービス開始:’08年10月
●クラウドバンク
平均利回り:6.12%
証券会社で、幅広いファンドを扱う
担保あり率:89%
サービス開始:’13年12月
●LCレンディング
平均利回り:6.07%
JASDAQ上場企業、ロジコムグループの子会社
担保あり率:67%
サービス開始:’15年7月
●SBIソーシャルレンディング
平均利回り:2.95%
SBIグループの子会社で300億円の資金を調達
担保あり率:98%
サービス開始:’11年3月
●トラストレンディング
平均利回り:10.04%
貸金業の実績豊富なトラストファイナンスが開始
担保あり率:97%
サービス開始:’15年11月
●クラウドクレジット
平均利回り:10.01%
海外に特化し、新興国の小口債権を取り扱う
担保あり率:0%
サービス開始:’13年6月
●オーナーズブック
平均利回り:4.92%
不動産に特化し、マザーズに上場している
担保あり率:100%
サービス開始:’14年9月
●ガイアファンディング
平均利回り:9.48%
アメリカの不動産開発に特化している
担保あり率:100%
サービス開始:’15年10月
●レンデックス
平均利回り:10%
大手の査定結果を使った国内不動産ファンドを扱う
担保あり率:100%
サービス開始:’17年7月
●スマートレンド
平均利回り:7.03%
ベンチャーから大企業まで幅広く扱う
担保あり率:54%
サービス開始:’16年4月
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