観光客はご用心! 24時間稼働だけど、トラブルも多いタイのATMに要注意

タイは辺鄙な田舎でもATMは24時間稼働している

 タイは少なくとも20年前から銀行の現金自動預け払い機(ATM)は24時間稼働で、いつでも引き出しができる便利さがあった。しかも、どの時間に引き出しても手数料は基本的にかからないし、他行のATMでも同じように利用できる。そういった点では日本よりも使いやすいとも感じる。  しかし、問題がある。  信頼性はひどいのだ。これからゴールデンウィークにかけては日本人の訪タイ者数も増えることだろう。クレジットカードや日本のキャッシュカードで現金を引き出す際に十分に注意してほしい。  タイのATMはとにかくよく故障し、アウトオブサービスと表示されていることが多々ある。また、タイのATMで引き出せる1000バーツ札、500バーツ札、100バーツ札のいずれかが不足していて、希望の金額を引き出せないということもよくある。ただ、これらの問題は非常に些細ともいえる。以降の事例と比べれば、利用者側に大きな損失がないからだ。

飲み込んだカードは即座に裁断も!?

 タイのATMで頻発するトラブルのひとつはまずカードの飲み込みだ。現金を取り出した後に一定時間(数秒間)が過ぎても抜き取らないとカードがATM内に吸い込まれてしまう。これは日本も同じ仕様とは思うが、タイでは機械故障で飲み込まれることがよくあるのだ。  例えば、ATMのシステムエラーが突然発生する。するとATMは自動停止し、アウトオブサービスと表示が出る。もし操作中に発生すると、こちらになんの落ち度もないのにエラーのせいでカードを吸い込んだまま停止してしまう。この場合、ただちにATMにある電話番号に連絡し、後日管理する支店に出向いて引き取るか、裁断してもらうかを伝える。そして、引き取るなら、こちらが時間を作って行かなければならない。

こういったステッカーが必ず貼ってあるので、トラブルの場合はそこにかける。オペレーターもある程度英語ができるはず

 タイの銀行キャッシュカードならまだいい。サイアムコマーシャル銀行などは、基本的に外国のクレジットカードは裁断破棄し、返却はしないというスタンスなのだ(※銀行によって対応は異なる)。  また、タイ語ができれば交渉は可能だが、筆者も一度同じトラブルがあった際、電話で1時間も交渉するはめになった。引き取りに行った支店では初めてのケースだったことから、カードが事務所に届いているにもかかわらず、誰もその存在を知らなかった。そのときに盗難されれば裁断よりもひどいケースになっただろう。タイ語でごねにごねて支店長クラスまで繋げてもらい、なんとか見つけだして返してもらった。  旅行者が同じようにできるかというと、時間も言葉的にも困難を極めるだろう。
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現金が出てこないのにおろしたことに!
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