女性への人命救助は、セクハラになるのか否か? 男性を迷わす境界線とは

「女湯かどうかなんて気にしてる場合か」と批判殺到

 このオーナーは男性で、本能的に女湯に入ることを避けた結果であろう。しかし、調査によると火災発生当時、建物にはオーナー以外にも、7人の職員がおり、中には女性職員もいたのだとか。  火災目撃者の情報によると、この女性職員は火災を知るや否や、我先に脱出したという。 「一階からの出火で二階の被害は目に見えているのに、女湯とかそんなこと気にしている場合?」  当然ながらネットでは、男性のオーナーの対応に非難の声が上がっている。  しかし、一方で同情の声が多いのも事実だった。 「これは難しいな……(女湯に)入っても叩かれるし、入らなくても叩かれる」、「女湯に入れる勇気ある男なんて、そうそういないだろう」、「状況はわかるけど、私でも入れなかったと思う」「こんな事態でも男女間で気を使わなきゃならない、この社会そのものを変えるべき」(参照:DogDrop.net)など、男性オーナーの心情を理解するような意見も目立つ。  確かに、先日のAEDのデマのように、男性が女性の胸や裸を見るともなると、躊躇が出てくるかもしれない。そしてその躊躇の根元には、救助後の不安が絶対的に大きい。  もし訴えられたら。もし痴漢扱いされたら。  しかし、その躊躇が生死を分けることも事実。非常事態の中で、そんなことを気にしなければならない社会風潮こそ勇気をもって変えるべきなのだろう。この躊躇に対して、納得と同調が蔓延したときに、悲惨な事故はまた起こる。 <文・安達 夕 @yuu_adachi
Twitter:@yuu_adachi
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