他者の微表情を読み取るには、表情づくりのトレーニングが近道

他人の感情をコピーして表情を作ってみることは、微表情理解に役立つ

 こんにちは。微表情研究者の清水建二です。  今回は、微表情を読みとる能力を向上させる方法を紹介したいと思います。  微表情検知力を高める方法は色々あります。メール・ラインをしている人の表情を観てどんな感情か推測する、ニュースの音を消した状態でキャスターの表情を観て次の話題が良い話題か悪い話題か推測する、専用の微表情検知ソフトを用いてトレーニングする、などなど色々とあります。  しかし、最も重要で欠かせないトレーニングがあります。それはズバリ、自分で表情をつくることです。  微表情検知力向上にどのように・なぜ表情づくりが重要なのでしょうか?

表情フィードバック効果で感情の器をつくり、他者の想いをフォローする

 それは、私たちは、楽しいから笑う、悲しいから悲しい表情をする、不機嫌になるから怒り表情になるという「感情の後に表情が生じる」機能だけでなく、逆の機能、笑うから楽しくなる、悲しい表情をするから悲しくなる、怒り表情になるから不機嫌になるという「表情の後に感情が生じる」機能を身体に宿しているからです。  試しに眉間に力を入れて、眉を引き下げてみて下さい。しばらくその表情をキープして下さい。  不快な感じが込み上がってきませんか?  次にE(イー)と数秒、発音してみて下さい。発音しなくても、その口の動きを数秒間キープするだけでも結構です。  何となく心地よさが感じられてきませんか?  このように表情をつくることで感情が生じる現象を表情フィードバックといいます。顔の動き、表情をつくることで感情が入る器を用意することができるのです。  この機能を表情分析のときに利用します。  ある人の表情を観察・分析する際、その人と同じ表情をしてみることで「ある状況におけるその人と同じ感情状態」をシュミレートすることができます。シュミレートすることで、その人の抑制された感情や思考過程、言葉にならない想い、その人でさへ気付いていない気持ちなど、あらゆるホンネを推測しやすくなるのです。
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2つのステップで表情のつくり方をマスターしよう
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