今までウイスキーの転売方法について書いてきたが、注意点は?
「昨今のウイスキーブームは中国のおかげです。中国人がウイスキーを買わなくなった瞬間にバブルは弾けるでしょう。愛好家や専門家の話では向こう5年がウイスキーバブルの寿命ではないかと言われています」
ワインがそうであったように、ウイスキーの価値もいずれ高止まりすることは目に見えている。ウイスキーを飲む予定がなく処分を検討している人は、向こう3年を基準にオークションや買い取りに出すのが無難だ。
「転売には酒税法に基づいた販売免許が必要です。年に数回ウイスキーを売る程度なら税務機関も不問にしますが、常習化すると罪に問われる可能性があるので気を付けましょう」
酒類の販売免許は税務署に行けば手続き可能。転売で一儲けしたいという人は必ず取得しておくべきだ。
「最近、酒造メーカーや百貨店はウイスキーの転売防止に力を入れており、転売目的の限定品購入が難しくなってきているのも事実です。本来ウイスキーは飲んで楽しむもの。無理なものは無理と諦めることも大切です」
ウイスキー投資の真の「うまみ」は、値上がりしなければ飲めること。飲んで稼いで、自分なりに楽しもう。
《過去の実績》
●マッカラン 30年
価格:50万円
スコッチを代表するシングルモルトウイスキー。シェリー樽での製法が特徴。日本のオークションサイトで’16年、30万円だったが、’17年現在、50万円で取引されている
●サントリー 山崎 18年
価格:5万円
サントリーのシングルモルトウイスキー。奥行きのある熟成感が特徴。日本のオークションサイトで’16年、3万6000円だったが、’17年現在、5万円で取引されている
●ニッカウヰスキー 竹鶴 17年
価格:1.3万円
アサヒのシングルモルトウイスキーで数量限定で販売された。日本のオークションサイトで’16年、9000円だったが、’17年現在、1万3000円で取引されている
●サントリー 山崎 12年
価格:1.2万円
サントリーのシングルモルトウイスキー。繊細で複雑な味わいが特徴。日本のオークションサイトで’16年、9000円だったが、’17年現在、1万2000円で取引されている
●余市 15年
価格:4.1万円
ニッカのシングルモルトウイスキー。石炭直火蒸溜による製法が特徴。日本のオークションサイトで’14年、9000円が、’15年終売により現在、4万1000円に値上がり
●宮城峡 15年
価格:3.5万円
ニッカのシングルモルトウイスキー。シェリー樽原酒の果実香が特徴。日本のオークションサイトで’14年、9000円が、’15年終売により現在、3万4500円に値上がり
《今後の注目》
●イチローズモルト 秩父 1st Fill バーボンバレル
価格:3.4万円
海外での受賞歴もある、シングルモルトウイスキー。三越伊勢丹限定販売モデルだ。定価2万円だったが、’17年現在ヤフオク価格で3万4000円まで値上がり
●ベンリアック 12年
価格:0.7万円
シングルモルトのスコッチウイスキー。’14年、4000円が、’17年、メーカー生産終了により国内在庫限りで終売になると発表され、現在、7000円にまで値上がり
《転売注意3カ条》
1 5年後を目安に転売する時期を考えよう
2 がっつり転売するなら酒類免許を取っておこう
3 情報収集にはSNSを活用ウイスキーの世界は狭い
【酒買取レッドバッカス】
明治時代から酒販業を営んでいた老舗酒販店。洋酒の古酒マーケットを見据えて業態変換するなど、時代に合った酒買い取り業務を行っている
取材・文/櫻井一樹
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