コーディネートからシェアまで、個人向け需要拡大?!
一方、個人向けスタイリストの需要が高まりつつある。
「定番の時代には、個性の薄いアイテムをどう組み合わせるかというコーディネートの需要が増える」
モデルや芸能人、経営者といった特別な人だけでなく、感度の高い人であれば気軽にスタイリストを利用する流れになりつつある。
たとえば女性向けのファッションレンタルサービス「エアクローゼット」は、毎月定額9800円で、専任スタイリストが選定した服を何回でもレンタルできる。同様の男性向けサービス「リープ」も、今後の成長が期待されている。服をレンタルで済ませる考え方は、ミニマリスト、シェアリングエコノミーといった世界的な潮流とも符合する。
今後のアパレル業界の潮流予測
これに伴い、ファッション誌の意義と役割にも変化が生じている。
「現在は、スタイリスト個人が書いた書籍やブログのほうが支持されやすい。スポンサーであるアパレル業界の、流行を仕掛けたいという意向が反映されやすいファッション誌は定番の時代にはうまくマッチしないのです」
流行なくとも、新たなビジネスは着実に芽吹いているようだ。
【森井良行氏】
株式会社エレガントカジュアル代表、社団法人「服のコンサルタント協会」代表理事。「いずれはファッションを日本の義務教育化する」を目標に活動する
<取材・文/西谷 格>