そして同氏は、政治家が勘違いに陥らないためにも、情報公開を徹底すべきだと主張する。
「議会という箱の中だけに引きこもらず、考えをしっかり発信していけば、価値観がずれていることを容赦なく指摘されるはずです。私は365日ブログを更新して情報発信していますが、寄せられるコメントは賛否とも拝見して、民意を敏感に感じようとしています。公用車を使わない主義なので、都庁まで電車で通っていますが、ツイッターで『いま音喜多が電車の中でパソコンを開いている』とつぶやかれることもあり、見られているという緊張感を常に持っています。また、日本では支援者だけに囲まれた後援会しか持っていない政治家が多いですが、海外のようにお金をかけてでも自らのシンクタンクや政策チームを持つべきです」
とはいえ、自ら襟を正せないような政治家に投票してしまうのを回避する方法はないものなのか。
「小失敗だと思うしかないですね。選挙はとりあえずの民意の結論を出すものです。だからこそ、失敗や間違いを訂正できるように、一定の期間を置いたらまた選挙があるわけです。大きくは変わらないが、独裁などの大失敗もさせない。三歩進んで二歩下がるのが民主主義というシステムです」と一定のあきらめも必要だと説明する。
「だからこそ、ダメな議員は次の選挙で必ず落とさなければならない。自分が投票した議員は、AKB48でいうところの“推しメン”みたいなもの。誰に入れたかくらいは覚えていて、行動をチェックすべき。そして政治家は、それに応えるべく自分の考えを情報発信し続けるべきなのです」
<取材・文/中野 龍>
【音喜多駿氏】
都議会議員。ビジネスマンを経て、現在2期目。ブログを365日更新するブロガー議員として注目される。新著に『
東京都の闇を暴く』