気になるのは、いつ、宇宙旅行が始まるかだが、ブルー・オリジンは秘密主義で知られており、今後の計画などはほとんど明らかになっていない。
ただ、今年9月には「2018年に有人飛行を行う」ということが語られており、おそらくこれから、ニュー・シェパードの3号機による無人の飛行試験を何度か行ったのち、4号機以降の機体を使って、実際に人を乗せての打ち上げ試験が行われると考えられる。
それらが順調に進めば、宇宙旅行ビジネスが始まり、お金さえ払えば誰でも宇宙に行けることになろう。
もっとも、その運賃がどれくらいになるかもまだ明らかになっていない。ちなみに、ライバルとなる他社では約20~30万ドル(約2200~3300万円)で販売されており、ニュー・シェパードもこれとほぼ同等になると考えられる。
家やマンションが買えるくらいの価格なので、とても安いとは言えない。しかし、旅客機の発展の歴史のように、これから飛行回数が増え、価格競争も進めば、いずれ価格は下がっていくだろう。
もう何十年も前から、「近い将来実現する」と言われ続けてきた宇宙旅行。これまでは叶うことのなかったこの夢が、ついに私たちが生きている間に実現しようとしている。
宇宙船から見たロケット。背景に青い地球が見える Image Credit: Blue Origin
<文/鳥嶋真也>
とりしま・しんや●宇宙開発評論家。宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関するニュースや論考などを書いている。近著に『
イーロン・マスク』(共著、洋泉社)。
Webサイト:
http://kosmograd.info/
Twitter: @Kosmograd_Info(
https://twitter.com/Kosmograd_Info)
【参考】
・Crew Capsule 2.0 First Flight – YouTube(
https://www.youtube.com/watch?v=CSDHM6iuogI)
・Blue Origin | New Shepard(
https://www.blueorigin.com/new-shepard)
宇宙開発評論家。宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関する取材、ニュース記事や論考の執筆などを行っている。新聞やテレビ、ラジオでの解説も多数。
著書に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)があるほか、月刊『軍事研究』誌などでも記事を執筆。
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