進化するジャカルタの国際空港で、インドネシア初の無人運転車両「スカイトレイン」に乗ってみた

インドネシア初のAPMS「スカイトレイン」

 年間5400万人ほどが利用しキャパシティオーバー状態が続いていたインドネシアの首都ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港に待望の新第3ターミナルがオープンしたのは2017年5月1日のこと。  そして、スカルノ・ハッタ国際空港開発の最後の大トリ、期待の星である空港鉄道が12月上旬に開通するという。  12月7日付の「Jakarta Post」によれば、11日に開通式が開かれるとのことだったが、11日の時点では現地報道でも開通したという報はない。なにせこの空港鉄道、2015年6月から建設が始まり、当初の予定では今年7月開通だったが、9月に延期、その後12月1日に度々延期されて、さらに延期されてきた経緯があるので、あくまでも「12月上旬」とのことだが、まだ延期するのかもしれない。  ただ、もし完成すれば格段に便利になる。なにしろ、スカルノ・ハッタ国際空港からマンガライ駅(当面は1つ手前のスディルマン・バル駅)まで約36.4kmを最短55分で結ぶ交通手段となり、マンガライ駅から鉄道を乗り換えると日本人駐在員が多い歓楽街まで渋滞知らずの1時間30分ほど行けるようになるのだ。  定期的にジャカルタへ出張する日本人ビジネスマンは、「正月前後に行くので、ぜひ新しい空港鉄道に乗ってみたいが、1回限りになるかもしれませんね。空港鉄道とその後の乗り継ぎで1時間半くらいかかるなら渋滞してもタクシーと同じくらいになるので、ホテルまで行けるタクシーを利用しちゃうでしょうね」と話す。

開発進むインドネシアの国際空港

 5月1日から本格運用が始まった第3ターミナルは、延床面積42万2804平方mで第1第2の両ターミナルを合わせた面積の1.5倍ほどある超巨大ターミナルで、建物は、最近できたような羽田空港国際線ターミナルやスワンナプーム国際空港(タイ・バンコク)、北京首都国際空港第3ターミナル(中国)のような長方形で一体型の広い空間を持つ建物だ。  現在、第3ターミナルは、「ガルーダ・インドネシア航空」とスカイチーム加盟の航空会社が利用しており、同ターミナルのコンセプトは、「アート・アンド・カルチャー」で、インドネシア出身の著名な芸術家の彫刻や絵画などが展示されている。  ターミナル内には、「ファミリーマート」などのコンビニエンスストアや土産店、ファストフード店、カフェの他にも「丸亀製麺」などの日本料理店もあるレストラン街もあり店舗は充実している。まだ新しいこともあり、ガラーンとして殺風景な印象も受けるもこのターミナルだけで最大2500万人の利用者に対応でき、これまでの第2ターミナルを利用してきた人にはインドネシアとは思えないほど近代的なターミナルになっている。  新第3ターミナルの全面使用開始にともないLCCターミナルだった旧第3ターミナルは閉鎖され、今後は、新第3ターミナルのサテライトとしてリノベーションする予定だという。新旧第3ターミナルを区別するために新第3は、グランドオープンするまで第3アルティメットターミナル(T3U)とすごい名称で呼ばれていた。
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インドネシア初の全自動無人運転車両システム!
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