友人ヅラしてカツアゲしてくるアメリカに何故甘くするのか
一方で、日本の防衛装備品の購入は近年大幅に増加している。ほとんどはアメリカ政府が提示する条件を受け入れなければならない、政府間取引の有償軍事援助(FMS)方式だ。
なお、平成30年度予算案では、政府が防衛費を5兆2000億円程度に増やす方向で調整に入ったことが明らかになっている。
ミサイル発射を繰り返す北朝鮮や海洋進出を加速させる中国を念頭に防衛態勢を強化する方針で、29年度当初予算(5兆1251億円)を上回る過去最大規模となる。安倍首相は11月29日の国会で「(軍事機密性の高い装備品は)買いたいと言って買えるものではない。FMSの仕組みによって、米国しか製造できない最新鋭の防衛装備品を調達できる。我が国の防衛力を強化するために非常に重要だ」と説明した。
今回の防衛費の増額は、トランプ大統領の要求を受け入れ、日米同盟強化の姿勢を示す狙いもありそうだ。
30年度予算案では、北朝鮮を念頭に弾道ミサイル防衛(BMD)を強化する。目玉となるのは、ロッキード・マーティン社製の「イージス・アショア」。弾道ミサイルを大気圏外で撃ち落とす迎撃ミサイルを発射するシステムで、いわゆる「陸上配備型イージス」と呼ばれるものだ。しかし防衛省の試算では、1基800億円と決して安くはない。
北朝鮮が新たなミサイルを開発すればするほど、当然ながら日本の防衛費もかさんで行く。一方で軍需産業を世界的に展開するアメリカは「北朝鮮特需」に沸く。
日々緊迫する情勢に、万が一の備えを徹底してほしいと思わずにはいられないが、「表面上」の友情に騙されず、どこまでも日本の適正な防衛費を見極めてほしい。
<取材・文/安達夕>