8月のバルセロナテロの犯行リーダーはスペイン諜報機関の内部通報者だった

 結果として、サティが二足のわらじを履いていたということは最後までわからなかったCNIだが、CNIは寧ろその責任は国家警察と治安警察にあると主張している。  同様に、自治州警察もサティが導師として働いているということに対し、自治州警察として彼の身元を調査しておくのが当然であったとして、その職務怠慢も上げられている。

内通者は他にもいた!?

 バルセロナのラス・ランブラス通りにライトバンで突入した実行犯ユネス・アボスヤブクブと自治州警察官の一人が犯行2時間前に4分間電話で話しをしていたことも判明している。  何故、自治警察官が彼に電話をしたのかという疑問に、自治警察ではアルカナルで起きた爆破事件でそこに駐車していた車の身元を確認するためだったと弁明している。しかし、自治州警察がどうしてアボスヤブクブの携帯電話の番号を知っていたのかということまでまだ明白にされていない。  アボスヤブクブが自治州警察の内部通報者ではなかったのかという憶測もされている。しかし、彼は自治州警察官によって射殺されているので彼からの証言を得ることは出来なくなっている。 <文/白石和幸 photo by Amadalvarez via wikimedia commons(CC BY-SA 4.0)> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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