「ハゲ割」ホテルで試される、男性の度量とは<北条かや>

ハゲ男性は強制的にメンタル耐久テストを受験させられている

 ただ、幸か不幸か、『ハゲを生きる』で分析されているのは男性だけである。同著によると、男性は「ハゲ!」とからかわれた際にどのくらい「タフ」でいられるか、「テスト」されているそうだ。  ハゲを笑う相手は「お前は外見なんかでうじうじ悩むほど情けないのか?」という、無言のメッセージを発している。そのメッセージに対し、本当にうじうじしたり、悲しんだりすれば、「男らしくないヤツだな」とされてしまう。  ハゲの男性は、からかわれても「ハゲがどうした!」と堂々たる態度を示さなくてはいけない。  まさか孫正義のごとく、「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである」とまで言えたら素晴らしいが、そこまでとはいかずとも、最低限「からかいに動じないこと」が求められる。  もしくは、自分は「ハゲで~す」と、おどけてみせるか……これもまた、堂々とハゲを受け入れる度量の広さをアッピールする「男らしい態度」といえそうだ。うじうじ、ダメ、絶対。  そうなると、ホテルテトラの「ハゲ割」も見方が違ってくる。  「私はハゲです」と受付のスタッフに自己申告する際、恥ずかしそうにしていると、「この人、ハゲを気に病んでいるんだろうな……だったら割引なんて受けなけりゃいいのに。たかだかワンコインなのにさ」とか思うかもしれない(ひどい例をあえて想像してみたが)。  逆に、堂々と「ハゲてます! 割引して!」と自己申告できる男性は、賞賛の的だろう。  外見「なんか」でうじうじしない、男の中のオトコ……でもそれって息苦しそうだけどな。等々、色々考えてしまって自意識の自縄自縛に陥る人はいないだろうか。余計なお世話だろうか。余計なお世話なんだろうな。 <文・北条かや> 【北条かや】石川県出身。同志社大学社会学部卒業、京都大学大学院文学部研究科修士課程修了。自らのキャバクラ勤務経験をもとにした初著書『キャバ嬢の社会学』(星海社新書)で注目される。以後、執筆活動からTOKYO MX『モーニングCROSS』などのメディア出演まで、幅広く活躍。著書は『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)、『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)、『こじらせ女子の日常』(宝島社)。新著は『インターネットで死ぬということ』(イースト・プレス)。公式ブログは「コスプレで女やってますけど
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