韓国、台湾、中国、タイ、アメリカの20~30代訪日観光者、9割が日本再訪を希望

日本政府観光局のサイト

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 円安などの影響で訪日観光客の数が増加傾向にある。  日本政府観光局発表の数値によれば、2014年10月の訪日外客数は、前年同月比 37.0%増の 127 万 2 千人で、これまで 10 月として過去最高であった 2013年の92万9000人を34万3000人上回っただけでなく、2014 年7月の127万人も上回り、年間を通じた単月としての過去最高を記録したほどだ。  そんな中、ネット調査大手マクロミルが、訪日旅行者に関する調査(5か国比較)の結果を発表した。  同調査は2014年9月19日~26日に特に20代~30代という若い世代をターゲットに進められ、訪日旅行者が多く、同社の調査で実績のある韓国、台湾、中国、タイ、アメリカの5か国を対象になされた。調査対象は2012年以降に日本旅行を個人旅行でしたことがある20~39歳の男女で、1か国辺りのサンプル数は各国共通で208サンプル。  調査によれば、初めて日本旅行に来た人の割合が最も高いのが、中国(66%)、次いで韓国(61%)、台湾(58%)、タイ(54%)、アメリカ(49%)となり、2回以上日本旅行に来た人はアメリカ(51%)、タイ(46%)、台湾(42%)、韓国(39%)、中国(34%)となった。3年以内の平均訪日回数はタイが2.09回と最多で、ついでアメリカ(2.06回)という結果になった。  また、訪日のきっかけになった理由では、タイと中国は「テレビ番組を観て」という回答が最も多かった。「日本のポップカルチャー(アニメやマンガ、映画やゲームなど)を知って」という来日同機については、タイが圧倒的に多く、8.7%が回答。中国、韓国、台湾も上位10位までにこの項目が入っていたが、アメリカについては10位圏外だった。  体験してよかったことについては、日本食を食べることや、温泉入浴が各国とも圧倒的に多い結果に。この内、日本食で人気だったのは寿司とラーメン。タイ、アメリカ、韓国が寿司とラーメンをトップ2に挙げていた。面白かったのは台湾ではラーメンがトップになり2位に寿司を抜いて味噌汁がランクインしていたこと。また、中国はラーメンがなんと5位と5か国中最下位にランク。麺類ではうどんが3位だったので、中国人観光客にはうどんのほうがウケていたようだ。中国人観光客の上位は寿司と刺身。「中国人は生物が苦手」と言われていたが、そのへんも意識の変化があるのかもしれない。  また、再訪については5か国全体で9割を超えるという高い結果になった。特に、タイと台湾は再訪の意志が強く「必ず日本旅行をしたい」という人がタイ(初来日者85%/二回目以上訪日者83.2%)、台湾(初来日者65%/二回目以上訪日者80.7%)と非常に多かった。  滞在中に、もっとも多く金額を使ったのは、もともと訪日者に富裕層が多いことを反映してか、中国人が全体的に多くの金額を使っており、30万円超使った人が全体の6割近くを占めた。ただ、80万円超使った人が多かったのはなんとタイで、208人中27人となっていた。  それにしても、20代から30代という、5年後、10年後に各国の経済を支えるであろう世代が、9割近く再訪したいと回答しているのは観光立国を目指す日本としてはなんとも心強い。今後も、彼ら観光客に気持ちよく帰国してもらい、日本の良さを周囲に広めてもらい、多くの外国人にも再訪をしたいと思われる国でありたいものだ。 <取材・文/HBO取材班 調査データ/マクロミル(http://www.macromill.com/)>