10倍株(テンバガー)が達成後に調整もしくは暴落するのはなぜなのか?

コロプラの場合

 コロプラ(東証一部;3668)は、スマートフォンアプリを中心とした国内・海外向けモバイルゲームサービス、VR(仮想現実)デバイス向けサービス、位置情報関連サービスなどを提供する会社である。  2012年12月13日、マザーズに上場し、公開価格3,000円、初値5,650円であった。コロプラは、現在まで2回、株式分割をしているため、現在の基準で記すと、初値は377円である。2014年8月に高値の4,975円をつけ、「テンバガー」を達成した。しかし、今年11月14日の終値は、1,097円である。2014年8月の高値を起点とすると、「大暴落」と言っていい。  会社四季報によると、コロプラのEPS(1株当たりの利益)は、2014年9月期107.7円、同じく15年157.7円、16年166.9円、17年(予想)71.6円、18年(予想)73.2円となっており、コロプラの株価もまたEPSを1年近く先取りして上昇し、下落したことになる。  これらのケースを見ていくと、「テンバガー」銘柄もEPS(1株当たりの利益)との相関関係の下で株価が動いていくと言うことが考えられる。  もちろん、株価はオーバーシュートしやすい。「テンバガー」銘柄になったら、空売りが入り株価が下落することが、短期的な需給の面からはありうる。すなわち、騰がり過ぎた株価は下がりやすいのだ。しかしながら、上記の「テンバガー」を達成した銘柄から得られた知見は、長期的には、株価はEPSと相関して動くということである。テンバガー達成後に伸び悩んだり暴落するのか、それとも成長し続けるのか? EPSに注目し、それが拡大する見通しがあれば、「暴落」を過度に恐れる必要はないのではないだろうか? <文/丹羽唯一朗 photo from Negative Space8CC0 Public Domain)
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