「不採用でも転職活動で伸びる人、伸びない人の違い」カリスマヘッドハンターが語る

 転職するなら35歳まで、という暗黙のルール「35歳転職限界説」が崩れつつあります。 転職のススメ10 2016年には転職者数が、7年ぶりに300万人の大台を回復。そんな大転職時代に、今まで転職を考えたことがなくても「よりやりがいを求めたい」「年収をUPさせたい」「語学力を活かした仕事に就きたい」などと具体的に考え、初めて行動される方も多いことでしょう。  安易に転職することにはリスクが伴います。しかし転職活動をすること自体はその後のキャリアに大きな意味をもたらします。今回はこれまで7000人ほどのキャリア支援に携わってきたヘッドハンターである私、高本が自らの経験からその理由を書かせていただきます。

“転職バージン”は求める条件が多くなりがち

 広告代理店でマーケティング職に従事する29歳のAさん。30歳を目前に自身の今までのキャリアを振り返り、よりステップアップすべく企画職で初めての転職を決意しました。その方の条件は「年収を下げない」「マーケティング職から企画職にキャリアチェンジをしたい」「フレックス制を導入している会社がいい」「自宅から近い」などと10個ほど挙げられました。  Aさんのように初めてご転職活動を行う方が陥りやすい思考パターンがあります。  例えば転職したい企業の条件が10個あったとしましょう。初めて転職活動をされる方はその10個を満たす会社を探そうとします。しかし世の中、なかなか10の条件を満たす会社というのはないもので、仮にその10個を満たしていると思い、面接を受けても、自分がインターネットなどで調べていた企業の情報と現実との間にギャップを感じることがあります。  志望の軸が「そこで働く社員が良い人かどうか」という人間関係に重きを置いていらっしゃる方の場合、面接で“将来の上司”に良い印象を持って、自分の転職先はここだ! こんな人の下で働けるのなら転職したい」と思って選んだとしても、その人が異動になったり、辞めたりすることもあります。  なので、希望する条件が10あるとしたら、半分の5個程度を満たしていそうであれば、まずはエントリーして実際に受けてみることをオススメします。満たしていると思っていた5つの条件が、面接官の話を聞いてみると2つになる場合もあります。  その後、以後の選考プロセスを辞退したところで何らリスクはないはずです。逆に、事前に自分で調べて5つ満たしていると思っていた希望条件が、面接を受けてみると6つも7つも満たすこともあり得ます。
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受からなくても、キャリアアップのきっかけに
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