聞き手の集中力を持続させる「間」の作り方を考える

パワーポイントの前頁につなぎ話法を入れる

 つなぎ話法に慣れるまでは、パワーポイントにつなぎ話法を記してしまう方法がある。「複雑な問題から挙げると・逆に最も単純な問題は・中間の問題としては」という枠組み思考で、これらの3点を3頁のパワーポイントで記すとする。大事なポイントは、つなぎ話法は、前の頁に記すということだ。  例えば、「逆に最も単純な問題は……」というつなぎ話法を記す場合に、このつなぎ話法は、最も単純な問題を記しているパワーポイントの頭に記してはいけない。そのようにしてしまったら、間(ま)の効果をつくることができないからだ。  「逆に最も単純な問題は……」というつなぎ話法は、その前の頁「複雑な問題から挙げると」の頁の最下部に記すのだ。そうすることで、前の頁の最下部に記した、「逆に最も単純な問題は……」というフレーズを語り、それからパワーポイントを繰り、間(ま)をつくるということが実現できる。  「プレゼンには間が必要だ」と解説だけするレクチャーが多いが、このように、身に付けたいスキルをパーツ分解して、行動に分解していくと、反復演習しやすくなり、体得しやすくなるのだ。 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第56回】 <文/山口博> 【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある。
(やまぐち・ひろし) モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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チームを動かすファシリテーションのドリル

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