プミポン・タイ国王の葬儀で見た「影響力と人気」

参列者には日本人の姿も

おしぼり

無料で配布された冷たい水やおしぼり。喪服で汗ばんだ身体にちょうどいい

 寺院に集まった参列者はそのほとんどが地元のタイ人だったが、どこからか日本語も聞こえてきた。どうやら日本人の参列者も少なからずいるようだ。そこで、献花を終えた日本人参列者の方に話を聞いてみた。 ●バンコク在住10年・Yさん 「リタイアしてバンコクに移住した当時からプミポン国王は当たり前のように身近な存在だったので、崩御のニュースはとても大きな衝撃でした。本当は王宮に行きたかったのですが、テレビ中継を見てあまりの人の多さに驚き、近隣のこちらの寺院に来ました。多くの参列者が訪れているのにもかかわらず、みなさん順番をきちんと守って静かに整列している姿を見て、国王の偉大さを感じました」 ●旅行客・Sさん 「こちらの寺院には、バンコクに住んでいる友人に連れて来てもらいました。初めてのタイ旅行の時、街のあちこちに王様の肖像画が飾られているのを目にして、ここまで国民から愛される存在の王様はほかにいないだろうと感じていました。今回は国葬に立ち会えたことに胸がいっぱいです」

誰からも愛されたプミポン国王。これからのタイは……

嗅ぎ薬

「ヤードム(嗅ぎ薬)」までも無料でいただけた

 崩御するまで実に70年という、世界でも最長の在位期間を誇ったプミポン国王。ほとんどの国民は、生まれた時からすでにプミポン国王が君主であり、それが当たり前の生活だった。崩御の瞬間は誰もが戸惑い、混乱したことだろう。  5日間の国葬を終え、君主はワチラロンコン国王へと変わる。タイの未来はこれからどのように変わっていくのだろうか。 <取材・文・撮影/櫻井れき>
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