海外在住日本人の互助会「和僑会」がチャイナフェスティバル2017へブース出店。その目的とは?

アランを中心に出演アーティストと日中カラオケ王座入賞者も一緒にステージに

 台風21号が日本列島を直撃する中、10月21日と22日に「チャイナフェスティバル2017(中国節)」が東京の代々木公園イベント広場で開催された。今年は日中国交樹立45周年ということで規模を拡大して行われるもあいにくの天気となってしまった。それでも主催者発表で2日間で8万人が来場し、初日は「ニコニコ動画」でも生中継されて3万4500人が視聴した。  チャイナフェスティバルには60の飲食ブースや24の物販ブース、その他にも旅行や協賛ブースなど100ほどのブースが並び来場者を楽しませた。  その飲食ブースの中に和僑ドランクバーと和僑アジアビールバーという「和僑会」が出店しているブースがあった。  和僑とは「海外生活をする邦人の共存共栄、相互扶助や地域社会への貢献」を目指そうという、まさに華僑のコミュニティにヒントを得て結成された集団で、香港に暮らす日本人の一部が言い出した造語である。  2004年に香港で和僑会が発足し、その後アジアを中心に支部が増加している。2013年には、本サイトでもタイで開催された和僑会の世界大会について報じている。(参照:タイで世界大会を開催する、華僑ならぬ「和僑」って何?)  今回の出店目的など和僑会の狙いについて上海和僑会代表の藤岡久士氏へ聞いてみた。 「アジアとの交流活動を積極的に行っているシノンさんの『ジプシークイーン』(※アジア10ヶ国で活動をしているロックバンド。アジアの窓口としての活動もしている)とは東日本大震災の復興支援活動などで交流を深めてきたなどのご縁があり、今回のチャイナフェスティバル2017実行委員でもあるジプシークイーンのアキさんから和僑会へお話をいただき参加させてもらっています」  ジプシークイーンは、アジア全域で120回以上の公演経験があり中国でも数多くの公演を成功させている日本人4人組のロックバンドだ。チャイナフェスティバルの実行委員を務め、メインステージでも2日間に渡り盛り上げた。 「チャイナフェスティバルへの参加目的の1つは、各和僑会との交流があります。各都市にある私たち和僑会の特徴は、『個人と個人の信用を担保としたビジネスの会』であるということです。企業の看板なしに個人で信用を築いていくことは簡単ではありません。今回のようなイベントを通じ、各会員で企画し、運営することで、会員同士の相互理解が進み、結果、それぞれのビジネスへと発展するものだと考えています」(藤岡氏) 「もう1つの目的は、華僑や日本へ帰国した和僑たちのと交流があります。私たちが作った和僑という言葉は、海外で事業を営むことの難しさを実感している私たちが『華僑』への畏敬の念を込めた造語ですが、和僑会と華僑の会とは、歴史的経緯、会の性質や規模においてもまったく異なる特質のため今まで華僑とつながることはありませんでした。今回のイベントを通じて華僑の皆さんに私たちの存在を知ってもらったことや和僑会の活動や境遇に共感してもらえたことは大きな成果だったと言えます。さらに、様々な理由で帰国した私たちの仲間と交流を続ける機会にもなり非常に和僑会にとって大きな意味があるのです」(同)  さらに和僑会は健在で、変わらず活発に活動していることを示したい事情も存在していた。
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