トヨタも出資する大学発AIベンチャー、「PKSHA Technology」に注目すべき理由

各界からの熱い視線

 パークシャは、機械学習/深層学習技術・自然言語処理技術を利用したアルゴリズムソフトウエア等を複数開発しており、顧客企業のニーズに応じたアルゴリズムソフトウエア等の開発・提供を行っている。  パークシャの売上は、アルゴリズムソフトウエア等を顧客企業のソフトウエアまたはハードウエアに組み込む際の初期設定等に係る月額のイニシャルフィーと、初期設定後(顧客企業への導入後)のサービス利用料及び保守運用等に係る月額のライセンスフィーから構成される。(参照:「東京証券取引所マザーズへの上場に伴う当社決算情報等のお知らせ」)  機械学習/深層学習技術・自然言語処理技術を利用したアルゴリズムソフトウエア等の活用ニーズは高まると一般に考えられている。このことに疑問を持つ人はいないだろう。  富士キメラ総研「2016 人工知能ビジネス総調査」(2016年11月28日発表)によると、2015年度のAIビジネスの国内市場は1,500億円。2020年度予測が1兆20億円、2030年度予測が2兆1,200億円である。2030年度予測に関しては、その内訳は、規模が大きい順から、需要予測2,015億円、コールセンター1,870億円、映像監視1,600億円、コミュニケーションロボット600億円、ネットワークセキュリティ390億円となっている。  従って、アルゴリズムソフトウエア等を開発・提供するパークシャが成長企業であることは容易に想像できる。実際、パークシャの売上は現在、小規模ながらも成長している。パークシャの売上は、2013年1,000万円であったが、2017年は第3四半期累計で7億400万円へと拡大している。  注目すべきは、パークシャが第一期の2013年から継続して黒字企業であること。営業利益、当期純利益ともに増加を続けている。パークシャは機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心に複数のアルゴリズムモジュールを開発しているが、対話、推薦、画像認識、強化学習、エラー検知、予測などのアルゴリズムモジュールが具体例となる。  アルゴリズムの進化、および、対象領域の拡大という2次元の事業領域の拡大余地は大きい。この「大学発ベンチャー」に注目したい。 <文/丹羽唯一朗>
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