「155条(自治州機能停止)発動」vs「独立宣言」! 泥沼が続くカタルーニャ独立問題

 スペイン政府が155条を発動してカタルーニャ州政府の機能を停止することを受けて、同日夜9時にプッチェモン州知事はTV3を通して、10月23日に州議会の開催を議長に要請すると伝え、「ラホイ首相の今回の155条の発動は民主主義を攻撃するものであり、またカタルーニャを蔑むものである」と表明した。  また州知事は「住民投票で決定したことを、ラホイ首相は社会労働党とシウダダンスを味方にして、無効にした」、「州政府を無効にするというフランコ独裁による勅令以来のカタルーニャの制度と民族への最悪の攻撃である」と述べた。  更に、「ラホイ首相はマドリードからカタルーニャを遠隔操縦するための独裁者を指名したいようだ」と述べ、「国王の協力を得て、国家がカタルーニャの制度を貶め、廃止させようとしたのは今回が最初ではない」と表明してフェリペ6世を批判するまでに至ったのである。(参照:「OK diario」)

カタルーニャ州側の切り札は「独立宣言」

 今回の155条の適用に憤慨しているプッチェモン州知事を始め、州政府の閣僚が臨時の州議会を開催して内心企んでいるのは「独立宣言」であるというのは大方の報道メディアで予測されていることである。それが議会で批准されるための過半数の議席は確保している。一旦、独立宣言をした後であれば、スペイン政府が155条を適用しようとしても独立国家ではそれは適用できないという理由づけをする可能性もあると推測されている。  疑問は、その後に、彼が州議会を解散させて議会選挙に踏み切るか否かということである。そうすれば155条の適用を避けることが出来て、自治機能停止という侮辱を被ることを回避することができるとしている。  しかし、州政府内には選挙を実施することに反対している勢力も根強くある。選挙をすれば現政府与党は過半数の議席を失う可能性が強いとされている。また、政府による155条の適用の決定によって、州政府の内部ではカタルーニャの尊厳が傷つけられたとして独立宣言を余儀なくさせられるという考えが強いという。(参照:「El Confidencial」)  これから、まだまだカタルーニャの混迷は続くようである。その間も、カタルーニャからの企業の州外への移転は更に続くであろう。また、カタルーニャへの投資も期待できない。  唯一、確かなことはこの紛争によって、カタルーニャ州経済とスペイン経済のGDPは修正を余儀なくさせられることになる。 <文/白石和幸> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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