ポンド高に便乗!?「飲んで儲ける」ウイスキー投資

ウイスキー転売では終売情報を要チェック

 近年、転売によるウイスキーの価値が高騰し始め、’16年には山崎50年がイギリスのオークションで最高値の約870万円で落札されたというニュースが躍り、業界を震撼させた。ウイスキー情報サイト「BARREL」編集部代表を務めるオーツカ氏に、ウイスキーの転売事情について聞いた。 「人気の限定ボトルなど供給量が少なく高価なウイスキーは今、とんでもない高値で取引されています。しかし店頭やヤフオクで買える安価なウイスキーでも今後化ける可能性があるので、資金がない人でもチャンスがあります」  ポイントはウイスキーの情報量だという。氏はSNSを使った旬な情報の重要性を説く。
キャメロンブリッジ グレーン 2014年(Q3)再利用樽

キャメロンブリッジ グレーン 2014年(Q3)再利用樽は2年間で着実に価格が上昇。※1LPAは1リットル当たりの酒のアルコール量のこと。

「賞を取っていなくても人気のウイスキーは存在します。そういった銘柄は必ず次の年にも流通するので、サイクルを見逃さないことです。特に、安定供給されている銘柄の販売が終了するという終売情報に注目です。終売情報が出た瞬間に投資家たちがこぞって買うので、価格が2~3倍に高騰するウイスキーもあります」  オーツカ氏が今、最も期待している銘柄について尋ねてみた。 「おすすめは新興国生産のニューワールドウイスキーと呼ばれるもの。例えば、インドの『ポールジョン』、台湾の『OMAR』などですね。昔ながらの蒸留所と比べても味がいい。ただ重要なのは、きちんと年数表記がなされたエイジドウイスキーを選ぶこと。日本では『山崎』や『余市』、『イチローズモルト』といった限定ボトルが毎年高騰しています。抽選になるでしょうが、手に入れたらすぐには売らず保管しておきましょう。最近の銘柄だとオールドプルトニーの17年と21年の終売情報が出始めました。人気銘柄なので要チェックです!」  また、日本の小さな蒸留所に着目してみるのもアリだ。 「三郎丸蒸留所や、新設中のガイアフロー静岡蒸留所、厚岸蒸留所などは樽主を募集する企画を行う場合があるので、見ておいて損はないでしょう」  日本で注目の銘柄を樽買いできれば、投資効果は絶大だ。

為替の動きに注意 当面は円安が続くか

 ここまでウイスキー投資や転売について言及してきたが、それぞれの注意点を挙げると、ウイスキー投資は為替の影響を多大に受ける。今後の為替の値動きついて、前出の平田氏に意見を伺った。 「海外のウイスキーに投資する場合は円安が良い。ポンドはユーロから離脱した影響以来大きく荒れており、予想は難しいですが、大体150円前後で推移しています。WIDでは今後、円建ても検討していますが、為替をヘッジすると利回りは6~7%に減少します。自信がある方はポンド建てのまま買うといいでしょう」  また、転売の際に気をつけなければならないのが、日本では頻繁にウイスキーをオークションに出す場合、酒税法に基づき販売業免許が必要になるということ。年に数回不要になったウイスキーを売る程度なら問題ないが、転売で一儲けしたいという人は要注意だ。  ただウイスキー投資の魅力は何と言っても儲けられなければ飲めること。価値が上がらなければ、飲んで楽しんでしまおう。 【オークション転売用銘柄】 ●スキャパ12年 オフィシャルボトル 価格:4000円~  スコットランドのオークニー諸島にある蒸留所で造られたシングルモルト。’94年から約10年間操業を休止したため、当時の原酒は貴重。価格はもともと4000円前後だったが、終売後高騰。現在1万5000~2万円前後。 ●ザ・グレンドロナック リバイバル15年 価格:5000円前後  スコットランドのハイランドとスぺサイドの境界線にある蒸留所。シェリー樽で造られたシングルモルトウイスキー。’15年に5000円前後で発売されたが、オークションサイトで既に現在2万円ほどの値に。 ●オールドプルトニー17年 価格:1万円~  ハイランド最北の地、ウイックのプルトニー蒸留所で造られるシングルモルト。オーツカ氏曰く、「昨年終売した人気銘柄は価格が2~3倍に上昇。これも根強い人気があるので、期待はできる」と太鼓判。 ●ラフロイグ10年(’90年代流通品1140ml) 価格:3000円~  ウイスキーの聖地、スコットランド西南アイラ島で造られたシングルモルト。当時は3000円前後で買えたが、現在は3万円に。高騰が続く人気銘柄で、旧ボトルは価格が軒並み上昇する傾向にある。 ●竹鶴17年 価格:7000円~  日本を代表するニッカウヰスキーが誇るピュアモルトウイスキー。’14~’15年にかけてのNHKの朝ドラ『マッサン』で一躍有名になり、品薄が続く。希望小売価格が7000円に対し、1万5000~2万円の値がつく。 ●余市20年 価格:2万円~  竹鶴と同じくニッカが造る国内人気ブランドのシングルモルト。4年前の発売当初は価格が2万円前後だったが、現在ネットの流通では10万円を超え、実に5倍以上。新たに市場に出たら即買い必至。 【平田和生氏】 日本株の小型株アナリストとして活躍。株ドカン運営責任者。日本トップセールストレーダーとして、現在、個人向けに資産運用をアドバイスしている。 【オーツカ氏】 ウイスキー情報サイト「BARREL」編集部代表。アニメサイト「あにこれ」の編集も手掛け、デザイナーとしても活動するなどさまざまな分野で活躍。 取材・文/櫻井一樹 図版/松崎芳則
1
2