そんな文教堂HDだが、2013年から今年まで5年連続で、ノーベル文学賞の発表の日に向けて、株価が上昇しているのである。
2013年、文教堂HDの株価は、ノーベル文学賞発表の日の直前に一瞬、200円から1~2割ほど、ほんの少し上がってから下がった。2014年も同様であったが、上げ幅が大きく、200円から400円まで一瞬上がってから下がった。
2015年と2016年は、どちらも、ゴールデンウイークの頃から株価が上がり始めて、ノーベル文学賞の発表の日の直前に下がった。2017年は、2016年の村上春樹氏の落選から株価が暴落した直後から、株価は上昇を開始し、ノーベル文学賞発表の2日前から下落が始まった。村上春樹氏の落選から、さらに株価は大きく下がった。
今年も村上春樹氏はノーベル文学賞を受賞できなかった。文教堂HDの株価は今年、ノーベル文学賞発表の2日前から下落したが、下落が始まるのが例年よりも1日あるいは2日早かった。投資家が利益確定を早めたからだと思われるが、村上春樹氏は今年ノーベル文学賞を受賞できないと考えるのが有力だったからかもしれない。
ただ、世界最大規模のブックメーカー(賭け屋)である英「ラドブロークス」の受賞者予想で、村上春樹氏は2位であったので、村上春樹氏は依然としてノーベル文学賞の有力候補であることは間違いないだろう。
それに村上春樹氏が毎年候補にあがりながら、落選してきたといって、また来年も落選するだろうと考えるのは間違いだろう。カズオ・イシグロ氏が日本出身なので、村上春樹氏が来年受賞できないだろうというのも根拠が乏しい。カズオ・イシグロ氏はイギリス人である。
したがって、筆者は、文教堂グループホールディングスの株価の特徴的な動き、すなわち、村上春樹氏ノーベル文学賞トレードは、来年もあるのではないかと考えるが、どうなるだろうか?
村上春樹氏がノーベル文学賞を受賞した翌日に、文教堂グループホールディングスの株価が爆上げするのを見てみたいという気もする。
<文/丹羽唯一朗>