ほとんどが平壌出身。「インターネットができるのがうれしい」
最後に訪れたのは、大型でクラブ兼スナックというような雰囲気を持つ某所。店内にはステージもあり、テレビからは北朝鮮の国内放送が垂れ流しされている。本来ならば取材は一切NGだが、交渉の末ウエイトレス2人に一問一答の質問をぶつけることに成功した。
内容は以下の通りだ。
Q:どういう経緯でウラジオストクに来た? またどのくらいの滞在か?
A:「選ばれて。任期が決まっているが、私はいつまでかはわからない」
Q:どうすればステージで踊ってくれるのか?
A:「団体のお客様からのリクエストがあれば、少人数でもお金でリクエストがあればパフォーマンスする」
Q:北朝鮮の人も利用するのか?
A:「個室をよく使う。あとは集まりや会合などで」
Q:個室ではどんなサービスを
A:「カラオケを歌ったり、お酒を飲んだり、喋ったり」
Q:性的なサービスはあるのか
A:「ない。そんなことはできない」
Q:ウラジオストクでは普段は何をして過ごしている
A:「いろいろ。あまり特別なことはしていない。ただ、インターネットができるのが嬉しい。特にゲーム」
Q:北朝鮮ではできない
A:「はい」
Q::北朝鮮に帰りたいという思うことはある
A「生活が慣れないので。あとはやはり家族に会いたい。家族と離れて暮らすのがツラい。ロシアが良い悪いではなくて、それで帰りたいと思うことはある。寂しさは感じる」
(2人目の女性)
Q:北朝鮮のどのエリアの出身なのか?また、お店にはどこから来る子が多いか?
A:「平壌、ほとんどの人が平壌」
Q:家族と一緒に来ている?
A:「1人で来ている。家族は国にいる。ほとんどの子が1人で来ていて、家族は国にいるということが多い」
Q:どうやってウラジオストクに来るのか?
A:「選ばれて。選ばれると拒否はできない。家族のこともあるから」
Q:どんな選考基準があるのか
A:「それは言えない。でも、基準はあると聞いている」
彼女達の収入は、ほとんどが国の取り分となり手元にはほとんど残らない。終始笑顔を絶やさずに対応してくれたが、ホームシックにかかる女性も決して少なくないとのことだった。
※次回「ウラジオストクで働く北朝鮮労働者に直撃 その厳しい生活事情とは?」は近日公開予定
<取材・文・撮影/栗田シメイ>