このプロセスマッピングにより、縦軸で掘り下げて一番下に貼り出したコアとなるアクションと、時系列で横軸に洗い上げて一番→に貼り出したアクションとの関係を考えてみると、自分にコアとなるアクションが、何に役立ったかということが格段に見えやすくなってくる。
上司がいくら仕事の意義を力説しても、あるいは、上司が部下に仕事の意義を考えろとか仕事に意義を見出せと激を飛ばしても、仕事の意義が明確に意識されることは少ない。従って、上司に仕事の意義を聞いても、腑に落ちる答えが返ってくることは少ない。
仕事を進めているのは、他ならぬ自分自身なのだから、自分自身で仕事の意義を見出すしかない。だとすれば、その早道は、自分で自分の仕事を洗い出し、絞り込み、掘り下げるという行動をすることだ。そこから、自分で見当づけていくのだ。
このようにガイドしながら演習していくと、必ずといっていいほど出てくる質問が、「自分で見出した仕事の意義が正しいかどうかわからない」という質問だ。
私はこの質問に対して、明確な答えをもっている。それは、他人が説明した仕事の意義と、自分自身が見出した仕事の意義とで、どちらが自分自身にとって腑に落ちるかということを考えてみれば、そこに答えがあるということだ。
私の演習参加者のほとんどは、自分が見出した仕事の意義が腑に落ちるという。だとすれば、それが自分にとっての仕事の意義だ。肝心なのは、他の誰でもない、自分自身が意義を感じられるかどうかなのだから。そのことが、仕事のストレスを解消するのだ。
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第52回】
<文/山口博>
【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『
チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『
クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある