勝間流勉強法② いつでもどこでも勉強できる「環境」を作る
次に勝間さんは「勉強でいちばん大事なのは、勉強そのものではなく、勉強をうまく続かせる仕組みづくり」ということを強調しています。これを見ていきましょう。
例えば彼女は、スキマ時間を利用して勉強するために「書斎を持ち歩く」ことを勧めています。具体的には、勝間さんはノートパソコンを常に持ち歩き、スキマ時間で情報収集や勉強の成果を書き込む環境を作るようにしているそうです。そのため、ノートパソコンは、軽くて壊れにくい機種のものを選ぶといいと言います。
また彼女は「耳でする勉強」のためのツールとして、音楽プレイヤーなどを持ち歩いているそうです。それでオーディオ・ブックと呼ばれる、本の朗読が録音されたファイルで勉強するのです。
オーディオ・ブックの利点は紙の本と違って紙をめくらなくて済むので、満員電車の中でも階段を上り下りしている時でも勉強時間に変えることができるというところです。このために勝間さんは、ノイズキャンセリングやカナル型など、多少高くても品質が良いものを選ぶことを勧めています。
このように、さまざまなITツールを多用することで、いつでもその場所を勉強するための「書斎」化するというのが勝間さんの勉強法の1つです。
勝間流勉強法③ インプット・アウトプットを「効率化」する
さらに勝間さんは、勉強のインプット・アウトプットにかける時間を短縮するためのテクニックをいくつか紹介しています。これを見ていきましょう。
例えば勝間さんが勧めているテクニックの1つは、「フォトリーディング」による速読法です。これは、「本の概念を大きくつかみ、その本の中で自分が必要なことがどこに書いてあるかをすばやく見つけ出す技術」というもので、このテクニックを身につけることで、勝間さんは1週間に1冊くらいから、1日に1、2冊の本を読めるようになったそうです。
またアウトプットにかかる時間を圧縮するためのテクニックとして彼女が勧めているのは、「親指シフト」によるキーボード入力です。この「親指シフト」の入力方式にすると、ローマ字入力に比べて打鍵数がだいたい6割程度で済むため、圧倒的に早いスピードで入力を進めることができるようになるそうです。
さらに、インプットする情報を整理するテクニックとして「マインドマップ」によるノート方法も推奨しています。これはキーワードやイメージを図の中央に置き、そこから放射線状にキーワードを広げていくもので、短時間で効率的なまとめをすることができるのだそうです。
このように、さまざまなテクニックを身につけることで、インプットやアウトプットにかける時間を最小化し、少ない労力で大きな学習成果を上げることができるでしょう。
最後にまとめると、勝間さんによれば、勉強は「新しい道具などをいかに使いこなして、無理なく続く仕組みをつくるか」こそが、キモであると言います。
彼女の言葉を引用しましょう。「社会人の勉強では、根性論や努力論を信じてはいけません。私たちは、いかに勉強には怠惰であるかを自覚しながら、怠惰な私たちでも続くシステムを、貴重な給料から投資しながら、組み立てなければいけないのです」
実際にこうした勉強法によって様々な資格をとり実績を積んだ勝間さんは16年間で年収が10倍になったそうです。私たちも彼女を見習って、効率的な勉強に励みたいものです。
<文/高田晋一>
【高田晋一】
(株)成功データ研究所 代表取締役。作家。データアナリスト。早稲田大学第一文学部哲学科卒業、英国国立ウェールズ大学経営大学院Postgraduate Diploma取得。10年以上にわたり、電通グループ各社で市場調査やデータ分析を担当。成功に関する文献・データを集め分析することをライフワークとし、これまでに1000冊以上の自己啓発本・成功本などを読破。その後独立し、社会的成功に関する研究を行なう専門機関、「(株)成功データ研究所」を設立。これまでの研究結果を書籍やセミナー、雑誌やWEBの記事などを通じて発表している。著書に、『
「人生成功」の統計学 自己啓発の名著50冊に共通する8つの成功法則』(ぱる出版)、『
自己啓発の名著から学ぶ 世界一カンタンな人生の変え方』(サンクチュアリ出版)、『
大富豪の伝記で見つけた 1億稼ぐ50の教え』(サンクチュアリ出版)、『
成功法則大全』(WAVE出版)など。
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