そこで気になるのが、取引所の上場基準だ。株式市場ならば取引所が明確な基準を定め、審査もあるが、仮想通貨の世界ではどうなっているのか。
「明確な基準はありませんが、ひとつは
時価総額の大きさ。もうひとつは、
コミュニティの充実度ですね。
開発者を中心としたコミュニティが強力で、また信頼できる人が関わっていれば私たちも決断しやすい。具体的には
イーサリアム開発者のヴィタリック・ブテリンさんや、リップルを開発したジェド・マケーレブさんなどですね」(大手取引所A氏)
この基準でいくと注目されるのが
時価総額12位の「OmiseGo」(OMG)だ。タイを拠点に東南アジア向けの決済プラットフォーム構築を目指すICOから生まれ、
アドバイザーとしてヴィタリック氏が参画している。
【OmiseGo】
時価総額 971億円
価格 988円
東南アジアで決済システムとしての普及をめざす。著名人の参画でも話題に。日本未上場。
「OMGは堅い。すでにICOから30倍以上に値上がりしているため、さらに30倍の期待はできなくともプロジェクト自体は有望。下値不安は少なそうです」(三崎氏)
さらに時価総額ランキングを見ていくと、トップ10圏内に見慣れない名前が。
手数料無料の送金を可能にした少額決済向け仮想通貨のIOTAだ。
【IOTA】
時価総額 1694億円
価格 59円
ブロックチェーンに変わり「DAG」を採用。IoTを想定し送金手数料はゼロ。日本未上場。
「
時価総額8位と大きいのですが、扱っている日本の取引所は皆無。近い将来、ホワイトリストに載る可能性はあるでしょう」(A氏)
OMGやIOTAが日本で上場する前に海外で先回りして買うのも面白そう。耳慣れない単語が多いだろうが、アルトコインの世界にはお宝が眠っているはず!
【三崎優太氏】
メディアハーツ代表。美容商品のECサイト運営で成功を収める一方、株やFX、仮想通貨でも才覚を発揮し、仮想通貨だけで2億円の資産を保有。今期は100億円の年商を見込む。若手セレブの代表格。
【マナ氏】
個人投資家。今年3月に1000万円で仮想通貨への投資を開始し、8月に1億円を突破する。ブログ「貯金1000万円を仮想通貨に換えた男のブログ」は初心者向け記事も豊富。
https://bitcoiner.link/
【A氏】
証券業界から仮想通貨取引所へ転職。業界内の交流も活発で、オフ会で見かけることもしばしば。新たな仮想通貨の上場打診は頻繁だが、そのほとんどは検討にも値しないという。
取材・文/高城 泰(ミドルマン) 図版/ミューズグラフィック ※価格等は9/22時点の数値を参照