【現役愛人が説く経済学6】愛人側から見た、“コスパのいい男”とは?

お互い、ろくでもない人間であることを忘れてはならぬ

 愛人関係にある相手を、損切りする最も大きな理由は「束縛」です。  まともな男女であれば、愛人などという嘘にまみれた関係にありながら、相手を束縛する資格などないと気付くはずです。にもかかわらず、恋愛感情に支配された男性は、「僕がこれだけ思いを募らせているんだから、あなたも答えてくれなければおかしい」と、「自分が優先されて当たり前」との態度を強めてくるんですね。恋人のように扱おうとしてくるわけです。  この段階まで一気にこられると、私がコントロールできる部分はかなり少なくなります。慕情に狂ったストーカーは、警察でもなかなか止められませんが、それは慕情が「狂気」の域に達しているからです。常識は通じませんので、損切りするほかありません。徐々に連絡を少なくし、フェードアウトするのが賢明でしょう。  常時、4~5人の男性を確保しておくのは、この損切りをしやすくするためです。人は、「この男性しかいない」と思い込むと、相手の悪い部分が見えなくなりますし、「これだけお金をくれるのだから」と、理不尽な要求でも断れなくなってしまいます。1件の取引にこだわり、損切りのタイミングが遅くなれば、こちらの損失は甚大です。  そもそも愛人生活を送ろうという男女など、ろくでもない人間なんです。  私は愛人生活を職業のひとつだと考えておりますが、嘘にまみれた浅ましい営みであるのは百も承知ですから、ときには相手を冷徹に切ることもいとわないのです。もちろん、自分が「切られる」可能性もあるわけですから、気を抜けないのが愛人生活。いやはや、不幸といえば不幸ですが、これがスリル満点で楽しいんですねぇ。 <文・東條才子>
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