北朝鮮6度目の核実験で猛烈な地震に襲われた中国で肩身の狭い思いをする朝鮮族
中国の少数民族朝鮮族は、約183万人(2010年人口調査)と中国の56民族の中で唯一減少しており、延吉や延辺朝鮮族自治州でも漢民族の割合が5割を越えており、自治州消滅が囁かれ始めている。
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朝鮮族減少の一因とされるのが韓国への移住である。ある報道によると現在、韓国に移住した朝鮮族は50万人を超えているという。記者の知り合いの朝鮮族も4年ほど前に家族5人でソウルへ移住して貿易業を営んでいる。
朝鮮族にはこのような特徴もある。全民族の中でも教育水準や所得水準はトップレベル。また語学力にも長けており、歴史的な経緯もあり日本語を流暢に話す人も多く、日系企業が集結する大連などで活躍している人も少なくない。
朝鮮族誕生の歴史的な経緯は、日本の在日朝鮮、韓国人と同じで、戦前の日本統治時代の大連や満州国へ朝鮮半島から移住してきた人たちの子孫だ。在日朝鮮、韓国人との違いは、中国籍を持っており、少数民族に組み込まれている点で、民族学校はあるが、漢民族が習っている教育内容をそのまま朝鮮語へ翻訳したものが教えられている。
日本が敗戦して朝鮮半島が独立を回復し、中華人民共和国が成立後、朝鮮戦争が勃発したときに、北朝鮮の金日成国家主席(当時は首相)が、兵力を確保するため中国に残る朝鮮半島出身者に破格の待遇を提案し帰国を呼びかけた結果、多くの朝鮮人が帰国した。
「私の大叔父一家が呼びかけに応じて帰国したのですが、破格の待遇はまったくの嘘で、帰国早々、大叔父は戦争の最前線へ送られて亡くなり、息子たち(いとこ違い・従叔父)は60年代に再び瀋陽へ戻ってきました。私の祖父も一家で帰国する予定だったそうですが、作っていた農作物の収穫の関係で2か月ほど遅れたら国境が封鎖されて移動ができなくなり帰国しなかったそうです。もし一家で北朝鮮へ渡っていたら私は生まれていなかったかもしれませんね」(瀋陽50代朝鮮族経営者)
3日の日、吉林省臨江に滞在していた「レインボー通商」の宮川代表は、午後3時半(日本時間4時半)に遅めの昼食をとるため入ったレストランで3秒ほどの強烈な横揺れに襲われている。レストラン従業員は、「また北朝鮮が核実験を」と一時パニックになったが、後にこの揺れは、6度目の核実験による地殻変動が原因だと判明している。
挑発をエスカレートする北朝鮮に朝鮮族自治州にもかかわらず少数派になってしまった朝鮮族は日々肩身の狭い思いを強いられている。
<取材・文・撮影/中野鷹(TwitterID=なかのよう●北朝鮮ライター・ジャーナリスト。中朝国境、貿易、北朝鮮旅行、北朝鮮の外国人向けイベントについての情報を発信。東南アジアにおける北朝鮮の動きもウォッチ。北レス訪問が趣味。 Twitter ID@you_nakano2017
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