一方のシェイクシャックだが、日本のシェイクシャックの店舗を見る限り、米国株式市場でのシェイクシャックの株価下落トレンドは理解できないかもしれない。日本のシェイクシャックは、大人気で、行列ができているからだ。
日本では、2015年11月13日、シェイクシャックは、サザビーリーグと組み、東京で1号店を明治神宮外苑内に開業した。2016年4月には、アトレ恵比寿西館に2号店をオープンした。新宿サザンテラス、有楽町の東京国際フォーラムにも、シェイクシャックの店舗がある。
2017年9月29日、神奈川県横浜市の「クイーンズイースト」に、5号店となる「シェイクシャックみなとみらい店」がオープンする。また、今秋、六本木にもオープン予定である。
では、なぜ米国のシェイクシャックの株価は下がり続けたのだろうか? 米国の事情は異なるのだろうか?
2017年8月3日、シェイクシャックの4-6月期決算が発表された。(参照:
Shake Shack Announces Second Quarter 2017 Financial Results)
これによれば、売上高は前年同期比で37.4%増の9130万ドルで、予想をクリアしたものの、通年売上の見通しは3億5100万~3億5500万ドルで予想より弱い数字であった。既存店売上の見込みについて、2~3%の下落を予想している。
シェイクシャックは、同社を取り巻く苦境にについて2016年の年次報告書で「新しい競合企業がハンバーとファストカジュアルの両方に参入するにつれて、当社の競争は激化している。また、抗生物質フリー肉など、より良い品質の食材を提供する取り組みを発表した競合他社の競争圧力が高まっている」としている。(参照:
2016Annual Report)
マクドナルドとシェイクシャックとの比較では、シェイクシャックで使う金額のほうが大きいだろう。そのため、シェイクシャックを利用できる消費者の数は、マクドナルドのそれよりも少ないと考えられる。
ただ、高級ハンバーガー店は、シェイクシャックだけではない。高級ハンバーガーというカテゴリーの中でも、シェイクシャックには競合がいる。そのため、シェイクシャックはマクドナルドよりも、事業カテゴリーの中で、消費者に利用してもらえる市場規模の上限に接近しやすいのではないだろうか?
<文/丹羽唯一朗 photo by
Shinya Suzuki via flickr(CC BY 2.0) >