「ホスピタルダイエット」で知られるタイ・ヤンヒー病院で減量薬を処方されてみた

 山田さんが感じるヤンヒーの減量処方薬は3つの作用があるという。 作用1 甲状腺の機能が活発になる  これによって新陳代謝が進み、本来の身体へ正常化される効果がある。ただ、副作用として頭痛や発汗作用がある人もいるし、内分泌系に作用する薬などは極めてリスキーだと言われている。 作用2 油分の吸収を妨げる  食事から得られる脂肪分の吸収が妨げられるという。汚い話になるが、トイレの際には吸収されなかった分が排出されるのだとか。ただ、これも健康のために必要な脂質や、脂溶性のビタミンなども排出されてしまうリスクがある。 作用3 食欲減退  食欲を減退させることで、自動的に食事量を抑えるというものだが、これは一時的なもので、人によっては効果は現れない。また、食欲抑制効果がある成分は頭痛などの要因にもなる。

ヤンヒー病院に行った後の山田さん。あごがシャープになり、腹回りがすっきりとしている(山田さん提供)

 処方薬のパッケージに成分が一切書いていないのが不安だが、近年のタイでは屋台ですら「人を騙してまで金儲けをするのではなく、誠意を持って接することで得られる信頼が利益を生む」といったことを話すほどで、ヤンヒー病院のような大きな「企業」が危険なクスリを処方するとは考えづらい。ただ、薬事法の違いで日本では認められていない成分もあるかもしれない。あくまでも自己責任の範囲で利用したいところだ。  そんなヤンヒー病院の減量処方薬は一律790バーツ(約2400円)を1か月分として処方される。初診料や診察費込みでこの値段だ。最初は最大で1か月分。2回目以降は無制限で出してくれる。量を出してくれるのは海外から来る患者のための措置ともいえ、成分さえ身体に合えば、長く利用できるので便利だ。  この減量処方薬によっておよそ3か月が過ぎた8月中旬の時点で山田さんの体重は87kg、体脂肪率は22.9%にまで落ちた。初診時から10kg減はなかなかの成果だ。8月のヤンヒー病院再診で11月分まで減量処方薬をもらってきたそうで、使い切るタイミングで目標値に達していればヤンヒーの減量処方薬・ダイエットはこれで終わりにするつもりだ。山田さんの計画通り、減量処方薬を併用したことで、年内中にダイエット成功はほぼ確実になりそうである。 <取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:@NatureNENEAM)>
(Twitter ID:@NatureNENEAM) たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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