【現役愛人が説く経済学4】愛人を求める富裕層男性を落とす殺し文句は「お金いりません」

富裕層男性が本当に求める潜在ニーズとは!?

 こんにちは。東條才子と申します。見た目はいたって普通のOLですが、常時4~5人の男性と「愛人」契約を結んでいる点は、ちょっと「普通」ではないかもしれません。さて今回は、「愛人を欲しがる男性の気持ち」について考えてみたいと思います。  前回は愛人の心得として、富裕層男性の「ニーズ」を満たすことの重要性をご説明いたしました。  お金持ちの男性にも色々なタイプがおり、蓼食う虫も好き好きですから、「愛人に求めるもの」も千差万別なんですね。「美女をとっかえひっかえして、ミシュランの店で見せびらかしたい」人もいれば、「素朴な女性と出会って、癒やされたい」人もおります。個々の男性にヒアリングすれば、もっと細かな好みが出てくることでしょう。重要なのは、「愛人が欲しい」という「顕在ニーズ」よりも、その背景にある「潜在ニーズ」を意識することです。  商品にたとえますと、お客様が「アイスを食べたい」という「顕在ニーズ」の裏には、「暑いので涼を取りたい」とか、「ストレスを感じているので甘いものが欲しい」など、様々な「潜在ニーズ」があるものです。優れた営業マンは、ヒアリングによってお客様の潜在ニーズを掘り起こすのが上手いともいわれますね。営業職の皆さんは嫌がるかもしれませんが、愛人関係もこれと似たようなところがございます。

独占契約を取りたいなら、アピールする価値を見極める

 ある会社経営の男性(50代)は、「奥さんや子供とは行けない場所(高級レストランやバー等)に、一緒に行ける女性がいい」とおっしゃっていました。だから自分は、年下の独身女性と付き合いたいのだと。ここまでは分かりやすい「顕在ニーズ」ですね。  ところがヒアリングをするうち、彼がたびたび「キャバクラ」や「ホステスクラブ」の話をすることに気が付きました。経営者という仕事柄、毎週のように接待で飲み明かすそうですが、そういうところにいる女性と仲良くなろうとしても、本音で付き合う関係になれないとか、金品を要求されたとか、そんな話がちょくちょく出てくるのです。 「ホステスに、ウン万円のブランド品を買ってあげたのに連絡がつかなくなった」とこぼす彼を見て、私は「愛人」としてアピールする価値を、「ホステスさんにはない純朴さ」に絞ることにいたしました。 「高級クラブなんて、きらびやかでちょっと怖い。私なんて田舎の出身で地味だし、ちょっと引け目を感じてしまいます。高価なブランド物には興味がないし、こんな高いレストランも嬉しいけれど、もっと安いお店にも連れて行って下さい。あ、プレゼントはいりません」  というようなことをお伝えしますと、 「君は変わっているね、初めて見るタイプだ。どんどん知りたくなる」  とおっしゃいまして、すぐに愛人関係が成立いたしました(会話を書き起こしてみると、なかなか滑稽ですね)。  金品を要求するホステスとの付き合いに疲れた彼は、女性に「純朴さ」を求めていたと考えられます。これが彼の「潜在ニーズ」です。当然、彼はロマンチックな1対1の関係を求めますので、独占契約と相成りました。  ちなみに、これと同じようなコミュニケーションを、「華やかで自信に満ちた美女と付き合いたい」男性に対して行っても、無駄打ちにしかなりません。私がアピールした「純朴さ」は、「田舎臭い」「卑屈だ」とみなされ、マイナス評価になるでしょう。  こうして男性の「潜在ニーズ」を掘り起こし、満たす作業は、私の自作自演でマッチポンプ的だと感じる人もいると思います。ところが面白いことに、こちらがニーズを引き出した方が、男性の「顧客満足度」と「独占契約に至る確率」が高まるんですね。お客様=男性にとって、言葉にできなかった思いがスルスルと引き出され、「そうそう、自分はこれが欲しかったのだ!」と「発見」することは、けっこうな快楽をもたらすのではないでしょうか。 <文・東條才子>