ISは次のテロ攻撃の照準をマドリードに合わせている!

マドリードの町並み photo by Anajim via pixabay(CC0 Public Domain)

 イスラム国はつい最近、スペインのソーシャルメディアを介して、特にマドリードを攻撃することに照準を合わせたことをジハードを目指す者に呼び掛けていることがスペインの複数のメディアで報じられた。(参照:「LA GACETA」)  テロ攻撃の中でも、今回の狙いは”プールといった人が多く集まる所でのテロ。そこには異教徒がたくさん集まる”としている。そして、”スーパーマーケットで市販している果物やアイスクリームなどに毒を盛ることだ”としている。(参照:「El Independiente」)  毒を盛る方法として、<青酸カリを液体に溶かして注射器で食べ物に注入するのだ>とも語っているという。(参照:「LA GACETA」)

非合法モスクが集中するマドリード

 更に、テロリストはコーランの9章123条を持ち出して、<「信者よ、君の近くにいる不誠実な異教徒と戦うのだ。アラーは彼らに恐れをなす者の味方だ」>と言ってジハードのテロ活動を鼓舞している。そして、テロリストはヨーロッパのムスリムに向かって<「当地にあるモスク(イスラム寺院)での説教は同胞の真の問題と解決を包括してはいない」>と伝え、そして、<「ラクダをちゃんと繋いで(やるべきことをちゃんとやって)、アラーを信じることだ」>と説いているのだという。(参照:「LA GACETA」)  スペインには、モスク(イスラム寺院)は、合法化されたものだけで<1508軒存在している>という。そして、モスクとしての体を成すことなくイスラム礼拝所と呼べるような場所が<非合法で800軒ある>とされている。非合法な礼拝所はビルの1階に仮設的に設けた所や商店のひと間、或いはガレージを改装したものといった所である。(参照:「LA GACETA」)  そして、マドリードには非合法なモスクが集中しているという。特に、<地区としてラティナ、シウダー・リネアル、バリェカス、カラバンチェル>に集まっているという。(参照:「ABC」)  マドリードの場合はバルセロナと異なりテロ防止の監視役は国家警察と治安機動隊である。バルセロナのように自治警察との縄張り争いはマドリードでは存在しない。バルセロナのテロ発生の一つの要因に自治警察と国家警察の争いで情報の交換が円滑でなかったというのも理由となっている。  EUのテロ対策調査官ジル・デゥ・ケルコーベが8月31日付のスペイン紙『El Mundo』でインタビューに応じている。その中で同氏はヨーロッパで<ジハード或いは過激派として警察から監視されている者がスペインの場合は5000人>いることを挙げている。しかし、この数字は<英国の2万人から2万5000人、フランスの1万7000人>と比較すれば少ないと指摘している。英国の場合は上記数字の内の<3000人は英国保安局MI5も警戒している>ほどであるという。  ベルギーの場合はシリア紛争に参加したものは<500人であるが、国内に過激派が2000人いる>と述べている。(参照:「El Mundo」)
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欧州からのシリア紛争参加者が過激化
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