「ウザい店員」にならないための声かけ術 真顔の客はNG、眉間に皺寄せの客はOK

店員

誰彼構わず話しかければ良いというわけではないらしい

 こんにちは。微表情研究者の清水建二です。  ショッピングをしているとき、探しているモノがあったりして、「店員さんに声をかけて欲しいな~」と思うときに限って声をかけてもらえず、今日はただ商品を見ていたいだけだから「声をかけて欲しくないな~」と思うときに限って声をかけられてしまう…そんなジレンマをみなさんも感じたことがあると思います。  一方で、店舗側はお客さんに心地よくショッピングをしてもらえるように、声をかける・かけない接客のタイミングやシグナルを日々、様々に工夫し探しています。  本日は、そんな声をかける・かけない接客のタイミングについて微表情の世界から提言できることを書かせて頂きたいと思います。

お客さんを「どのように」よく観るかが書かれていない接客マニュアル

 店舗スタッフさん向けの接客マニュアルや接客を指南してくれる書籍に書かれていることをざっくり言えば、お客さんの動向をよく観る、ということにつきます。  「なぜ」観るかについてはもちろん説明されています。声をかける・かけないタイミングを見計らうためです。しかし「どのように」観るかについて説明がされていることは少なく、説明があったとしても経験則のみに基づいたもの、あるいは曖昧な説明(「お客さんのさりげない表情やしぐさをよく観ましょう」といった説明)に終始しているものが大部分を占めています。  こうした現状のため、店舗スタッフさんたちは個々に工夫しながら声をかけるタイミングを体験的に学ばれています。個々に工夫をされることはもちろん素晴らしいことなのですが、問題が一つ。観察の仕方もお客さんの動向の解釈の仕方も個人芸になってしまうため接客の質が一定に保てないということです。  私が研修をさせて頂いたあるブランド店でのケースでは、スタッフ間で接客のタイミングや工夫を共有しようとしてもそうしたコツを明確に言葉で伝えられない、あるいはスタッフ間で販売実績競争があるためコツが積極的に共有されない、という現状でした。

声をかける・かけない接客シグナル

 そんな中、最近ではスタッフさんの観察ではなくお客さんの方から「声をかけない接客」を求めているシグナルを提示する取り組みが工夫されています。  店舗入店時に店側が用意した買い物バックをお客さんに選んでもらい、バックの色で声をかける・かけない接客を求めていることをお客さんに示してもらったり、サービスを利用する前の段階(例えば予約時点)で声をかけられる接客を求めているか否かを質問し、お客さんの好みを把握する工夫などがされているようです。  これらの取り組みは、来店した時点やサービスを利用時において、お客さんが声かけを求めているかいないかをサービス提供者が知れるという状況です。しかし、ショッピング経験中やサービス利用中のリアルタイムのお客さんに対して、その動向から声かけが求められているか否かを臨機応変に判断し、接客の質を保ったり、お客さんの満足度を高めることはまだまだ難しいようです。  現状、声かけ接客のタイミングの質を一定に保つには、点としては可能であるものの、流れとしてはまだ難しいということです。
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真顔+ランダムウォークの客には話しかけるな!
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