障害者雇用からプラネタリウムまで。熱き「協働型」ローカルプロレス団体HEAT-UP

ふたつの目的のためにビッグマッチ開催

 HEAT-UPは地道な努力を重ね、昨年10月31日、団体史上最大規模の興行を川崎・とどろきアリーナで開催。同会場では21年ぶりのプロレス興行で、平日月曜ながら1400人の観衆を集めた。  今年8月12日にはプロレスの聖地、後楽園ホール大会へ進出。川崎市教育委員会が後援についたことを特筆しておきたい。  大会オープニング演出には大平技研(神奈川県)が開発した最新機「メガスター」を使用。投影用スクリーンは障害福祉事業所が依頼を受け「仕事」として制作したもので、技術と福祉のタッグチームがリングを星空に染め上げた。 ⇒【写真】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=149777
スクリーン_1

後楽園ホールがプラネタリウムに

スクリーン_2 大会のメインイベントは田村と、田村の愛弟子・兼平大介によるタイトルマッチ。心身を削り合う闘いで観客を熱狂させた。
田村和宏_2

命がけの場外ダイブ!

 勝利した田村はリング上で次回ビッグマッチを発表した。日時は来年6月23日、場所は今年10月にオープン予定のスポーツ・文化総合センター「カルッツかわさき」だ。  収容人数は約3000人。普通に考えれば手に余る規模の大会場だ。しかし同会場への進出は、田村がふだんから口にしているふたつの目的を達成するために必要なことなのだ。  その目的のひとつはプロレスを広めること、もうひとつは地元・川崎を活性化することだ。  カルッツかわさきは川崎駅からすぐそばで足を運びやすい。HEAT-UPは地域でプロレス教室を開講するなど普及活動を進めており、ビッグマッチにはうってつけの場所だ。 参考記事:観るだけじゃない! 子供から老人までが学ぶ地域密着プロレス・格闘技スクール  地域活性化は様々な場所で目にする言葉だが、何が重要かといえばやはり金銭だ。他地域から川崎へ観客を呼び込めば、交通や飲食など必ず何らかの経済効果が生まれる。HEAT-UPが他地域でも大会を開催するのは、観戦に来るファンに川崎へお金を落としてもらうためでもあるのだ。  機会があれば、ぜひ会場に足を運んでほしい。地域と協働、そして共闘する選手たちにきっとヒートアップさせられることだろう。 【たこ焼きマシン】 名古屋在住のローカルプロレス探求家。ローカルプロレスファンサイトたこ焼きマシン.comスーパーたこ焼きマシン.comを運営。北海道から沖縄、台湾まで未知のプロレスを求め観戦に遠征する。ご当地プロレスラーガイドブック『ローカルプロレスラー図鑑』をクラウドファンディングで発行。オンラインストア。元・小中学校教員、障害者職業能力開発校講師。夢は世界中すべてのご当地プロレスを観戦しての『ワールドローカルプロレスラー図鑑』制作。
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