IPOした米食材宅配ブルーエプロンの株価下落止まらず! 背景にあの「巨人」の影!?

ブルーエプロン公式サイト 毎日の献立を考える面倒さもなく、さまざまなレシピを紹介し、それを調理するのに必要な厳選された新鮮な食材や調味料を1食単位で配送してくれることでNYでも人気を博し、食材宅配でもAmazonに勝てるのでは?という見方すらあったアメリカの食材配送サービス「ブルーエプロン」。  2012年に創業した同社が米株式市場に新規株式公開(IPO)をしたのは今年の6月29日。初値は10ドルで、日中の取引の最高値は11ドル。IPOで3,000万株を売却、3億ドルを調達し、IPO当日の時価総額は約20億ドルというデビューを飾ったのだが、その後のブルーエプロンの株価は冴えない展開が続き、株価は下げ続けている。8月22日の終値は、5.25ドルである。IPOからまだ2か月経過していないが、株価は初値からおよそ半減まで暴落してしまったのである。  投資家のブルーエプロンへの期待は大きかったのであるが、今のところ、投資家の期待を裏切る株価推移となっており、一部報道では集団訴訟の恐れすらあるとされている。

ブルーエプロンの訴求ポイント

 ブルーエプロンの訴求ポイント、すなわち、セールスポイントを、筆者なりに考えてみた。食卓の料理が完成するまでのプロセスを、①食事メニューの計画、②スーパーなどでの食材の買い物・調達、③調理に、ざっくり分けてみると、ブルーエプロンの訴求ポイントは①と②にあり、ユーザーから見ると、ユーザーは①と②のプロセスをブルーエプロンにアウトソーシングしていると考えることができるだろう。  食事メニューの計画(①)に関しては、ブルーエプロンは週替わりで6種類のメニューを用意している。  食材の調達(②)に関しては、ブルーエプロンは、2名分のプランと、4名分のファミリープランがあり、2名プランでは、1名1食9.99ドル×2名分を週3回配達してくれる。ファミリープランでは、1名1食8.99ドル×4名分を週2回または4回配達してくれる。  ブルーエプロンは、150以上の契約農家から厳選された食材を調達している。  また、ブルーエプロンは、料理に合ったワインの宅配も行っている。通常、ワインのボトルは750mlであるが、ブルーエプロンのボトルは3分の2のサイズの500mlである。1ボトルが10ドルである。ブルーエプロンは、“Elevate Every Meal With The Perfect Pairing” (完璧なペアリングで食事を高めていく)と謳っており、料理との「ワイン・ペアリング」を訴求ポイントとしている。  なかなかに細やかなサービスで、日本でも人気が出そうではある。
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何が株価下落を引き起こした?
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