【森友学園】佐川国税庁長官の国会答弁を覆す音声データ完全公開!

 かく言う筆者もその一人。森友事件を早くから取材し、籠池夫妻から膨大な資料の提供を受けていながら、この音声データの存在にたどり着けなかった。籠池夫妻およびその関係者の保有していたICレコーダーの類いは全て聞き込み、文字起こしまでしているというにもかかわらず、この音声データだけは発見することができなかった。  あれから約20日。  この悔しさをバネにもう一度取材を重ね、「データの残っていそうな箇所」をしらみつぶしに当たりつづけた。  そしてようやく、この音声データにたどり着いたのだ。

「いつ」、「どこで」交渉は行われたのか?

 今回、この記事では音声データを一部を除いて原則的に無編集で公開する。  繰り返しになるが、この音声データの主要部分は既に関西テレビおよびFNNが報道している。そのため、「いまさら同じ音声を公開しても意味はない」と思われるかもしれないが、FNNの報道には「触れられていない」ポイントが2つある。  まず、FNN報道時点で判明していなかったのは、この交渉がいつ行われたかというポイント。報道では「2016年5月中旬から下旬」とされているが、今回、この音声データにもとづき関係各所を取材したところ、交渉が行われたのは、2016年5月18日であると判明した。籠池夫人の手帳に、確かに「きんざい 池田」との文字が残っている  もう一つFNNの報道では触れられていなかったのが、この交渉がどこでおこなわれたのか?というポイント。  音声データをよく聴いて欲しい。ときおり「ぎゅいぎゅい」というノイズが入ることがわかるだろう。これは皮のソファーが軋む音だ。そしてもう一つ。この音声データの背景には子供たちの遊ぶ声が混ざり込んでいる。さらにもう一つ。園児の個人名が入ってしまっているため今回公開分では「ピー音」で上書きしているが、「校内放送」の音声が入り込んでいる。  籠池泰典氏が塚本幼稚園で陣取るのは「園長室」と呼ばれる部屋。その部屋には本革でできた大きなソファーセットが設置されている。子供たちの歓声が入り込むのは園庭で遊ぶ子供たちの声が園長室にも聞こえるからだ。そして「校内放送」が入り込む。  つまり、この籠池夫妻と近畿財務局の池田統括官の交渉は、塚本幼稚園でなされたということだ。
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「売る側」が購入希望者を訪れていた!
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