環境省が提唱するスーパークールビズのガイドラインをご存知でしょうか? 施行された2011年の段階で、実はダメージがないジーンズは許容されていたのです。ただし、実際オフィスにジーンズで行く勇気があるビジネスマンは圧倒的に少ないでしょうが……。
しかし、働き方改革法案が今秋の臨時国会で閣議決定されれば、伊藤忠商事のようなビジネスファッションのカジュアル化は加速することも考えられます。その流れを察知したわけではないかもしれませんが、ユニクロは2016年、秋ジーンズ・イノベーション・センターをLAに立ち上げました。そこで開発された第一弾ジーンズに、オフィスで使いやすいタイプが登場したのです。
2000年以降のセレブカジュアルブームと共に注目を集めたプレミアムジーンズ! どれもポリウレタンというストレッチ素材を混ぜることで、伸縮性を高めています。
これまで、あらゆるジーンズブランドがストレッチジーンズを販売してきましたが、今回、ユニクロが開発したジーンズに想像以上の伸縮機能が備わっていたのです。
その秘密は「素材の配合」にあったと私は見ています。通常2~3%のポリウレタンに綿でつくられるストレッチジーンズですが、ユニクロの新作ジーンズは2%のポリウレタンに8%のポリエステルと綿で構成されていました。
⇒【写真】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=149141
ユニクロの新作ジーンズ、ポリウレタン2%とポリエステル8%が含まれている
強度を高めるポリエステルが配合されたことで、驚異の伸縮性を発揮しながらもジョグジーンズのように膝が抜けやすいこともありません! つまり、オフィスで履くうえで十分な強度を保ちながらも、伸縮性があるため履き心地がラクなのです。
もちろん、ジーンズなので、IT系・クリエイティブ系をはじめとした一部の会社で働く人しか取り入れることはできないでしょう。ただし、ジーンズがビジネスシーンに受け入れられる時代が近い将来くるかもしれません。
森井良行氏
<文/森井良行>
【森井良行】
株式会社エレガントカジュアル代表取締役。’79年 千葉県出身。服のコンサルタント、「プロの目線でユニクロも好印象!」をモットーとして、のべ4000人を超えるビジネスマンの買い物に同行。公式サイト「
エレカジ」にて、自身がリサーチしたアイテム情報など随時更新中。上場企業から「営業マンのための印象研修」を請け負っている。