一方で、同じような不動産投資で痛い目を見ているメンバーもいる。
ハラと同じく元KARAのメンバーのスンヨンだ。スンヨンは2014年に、ハラ物件と同様、江南にある延床面積800平方メートル、地下1階~地上4階の小規模ビルを45億5000万ウォン(約4億5400万円)で購入している。当時、保証金2億ウォン(約1999万円)、賃料は1600万ウォン(約159万円)、利益率は4.4%。ハラのビルに比べると利益率は低いが、江南区の相場を大きく上回っている。最寄り駅から徒歩5分以内、2本の道路に面しており立地条件は良好。
ハラ同様、スンヨンも物件価値の向上のため購入から1年後にビルのリフォームを行っているが、実際の所、こちらは順調にはいかず、辛酸をなめている。
スンヨンはリフォームの工事費を安く済ませようと出し渋った。数々のリフォーム会社の中から施工技術やクチコミなどには目もくれず、最終的に現実的には不可能なほど一番低く見積もった施工業者を選んだのだ。その結果、工事途中から施工業者と費用に関するトラブルが起こり、しまいには工事途中に職務放棄される始末。まさに後悔先に立たず。
結果的にはリフォーム中に3回も施工業者を選定しなおし、工事費総額は2倍近く膨れ上がった。
リフォーム後、新築されたのは地下1階~地上5階建ての延床面積867平方メートルのビル。リフォーム前と比べても、大きさはさほど変わらない。通常、この規模でのリフォームは8ヵ月程度を要するのだが、スンヨンのビルに費やされた期間は1年半以上。工事費を出し惜しんだ結果が大きな損失を招いてしまった。
購入時とリフォーム工事で銀行から受けた融資は計35億ウォン(約3億4954万円)。2016年1月にリフォームを終えたが、5ヶ月もの間、全てのフロアで空室が目立ち、ビルが閑散していたとの情報もある。
物件の目の付け所は良かったものの、財テク能力は乏しいと言えるスンヨン。苦労して手に入れたこのビルで今後利益を生み出せればいいのだが……。