ビジネス書を読んでも、研修に出ても実践で役に立たない理由とは?

den-sen / PIXTA(ピクスタ)

書籍を何冊読んでも、実行できないコーチング

 身に付けたいスキルをパーツ分解し、コアスキルを反復演習する「分解スキル反復演習型能力開発プログラム」を企業や団体で実施していて、参加者から受ける質問のひとつに、「コーチングの実践ができない」というものがある。  聞いてみると、これまで、会社や個人でコーチング研修を受講したり、コーチングに関する書籍を読んだりしてきたが、行動で再現できないというのだ。このように、コーチングをする側からの質問をしばしば頂く。  一方で、コーチングを受ける側からの懸念の表明もある。「会社を挙げてコーチング研修が実施されていて、自分の上司も相当な時間を費やして参加しているが、コーチングをしているように思えない」というものだ。  演習参加者に、コーチング研修を受講したり、コーチングを書籍で学んだりしたことがあるかどうかを聞くと、大手企業では、ほとんどの人々があると答える。そこで、コーチングロープレを実施していただくのだが、逆に、ほとんどの人々が、コーチング話法を繰り出せておらず、コーチング実践ができていない。  コーチングが実践出来ていないという判断は、私の見解でもあるが、コーチング・ロープレをしたビデオを自分のスマートフォンで自撮りして、その動画を自分で視聴した結果の、参加者自身の感想でもあるのだ。「あれだけコーチングを学んできたはずなのに、それが出来ていない……」と動画をみて、愕然とする参加者がいるのだ。
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なぜ行動する際に活かせないのか?
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