50万円から参入可能。[貸し会議室ビジネス]がアツいワケ

最初の物件探しはローラー作戦で

 順調に室数を増やしているまさおくんの貸し会議室ビジネス。最初の1室はどのようにして開業に至ったのか。 「新宿エリアの不動産会社に片っ端から電話して、『貸し会議室がやりたいので部屋を借りたい』とストレートに伝えました。  業者さんの反応は、貸し会議室ビジネスを知ってるかどうかで大きく変わります。『転貸借』、つまり又貸しをするので、基本的に難色を示されることが多いです。一般的に知名度のある仲介会社では、まず相手にしてくれませんでした。  それでもめげずに電話しまくると、やがて話を聞いてくれる会社が見つかりました。まあ、打率にして1割以下です」  最初に苦労は伴うものの、1社見つかれば、そこから継続して物件を紹介してもらえるようになるという。

物件選びのポイントとは

 まさおくんの物件選びポイントは、立地に尽きると力説する。 「とにかく、駅からの近さにこだわります。スペイシーに募集を掲載する時に徒歩◯分と表示されるので重要な要素です。建物の築年数にはこだわりません。あとはアクセスのわかりやすさも大切です。近くに有名店があったり、1Fが路面店だと利用者に見つけてもらいやすい。最寄りにコンビニがあればアピールポイントになります。飲み物の買い出しや、会議室にコピー機がないので、コンビニのコピーが重宝される場合があります」  また、同じ広さの物件でも、住居と事務所では水回りの違いから、有効面積が異なるのも気をつけるべき点として指摘。開業場所の選定にあたって、大手の動向も参考にしている。 「マーケティングの観点では、近隣で大手が運営する貸会議室が参考になります。  彼らはマーケティングにマーケティングを重ねて場所や料金を決定しています。その近くで半額以下で利用できる会議室を開業すれば、まず赤字になることはありません」  実際、まさおくんの貸し会議室が入居するビルは、通りを挟んだ向かいに、貸し会議室ビジネスの大手、A社が看板を出している。同等の広さである15平方メートルの会議室が、大手では1時間3000円の料金が設定されている。 「大手の会議室には、受付での有人対応というメリットがありますが、それによって会議の質や、セミナー受講者の満足度が上がるものではありません。だからお客さんに認知さえしてもらえれば、よりリーズナブルなほうを選んでくれます」  大資本に追従する小判ザメ的な出店戦略が奏功しているようだ。  このほか、2室め、3室めの開業を同じエリアにすることで、清掃や管理の手間を集約させる工夫も行っている。  これから貸し会議室ビジネスを始めたい人は、十分なリサーチに加えて、一度会議室を借りてみるのもおすすめだという。

7室めとなる貸し会議室。最寄り駅は秋葉原だ

「自分で借りて、駅からのアクセスや、置かれている備品など、先駆者が行った工夫や、その結果を肌で感じてみるのが大切だと思います」
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