このマネー漫画がスゴい!BEST3

実践的な投資テクニックから思考法、市場のトレンドや社会現象を扱ったものまで、さまざまなものが溢れるマネー本。本当に役立つのはどの作品か? 金融アナリストや現役の億超えトレーダー、マネーブロガーといったカネのスペシャリストたちが厳選した!

話題沸騰の漫画で嗅覚を鍛えろ!

 読むとカネへの嗅覚が鍛えられるのは本だけではない。書評家・吉田大介氏が選んでくれたのは、今業界で話題となっている最新のマネー漫画だ。1冊目は『ドラゴン桜』などで知られる著者の『インベスターZ』。
『インベスターZ』三田 紀房 (著)

『インベスターZ』三田 紀房 (著)

 「中高一貫校の“投資部”に入部した主人公が、先輩やOBとの繋がりのなかで、投資の意義を実践的に学んでいく。ホリエモンやZOZOTOWNの前澤社長ら起業家を実名で登場させつつ、日本人は投資が得意だったのに太平洋戦争前後から国策として貯蓄好きにさせられた……など、歴史から学ぼうとするスタンスが印象的です」  続いては、データが肝となるため、カネとの親和性が高い野球漫画。 「『グラゼニ~東京ドーム編』は完全成果主義のプロ野球界を舞台に、ピッチャーである主人公の皮算用が延々と描き出されていく異色の野球漫画。最新刊では、残り少ない現役期間中にもっとも稼ぐにはどうしたらいいかというキャリアコントロールを主題にしています」
『グラゼニ~東京ドーム編~』アダチ ケイジ (著), 森高 夕次(原著)

『グラゼニ~東京ドーム編~』アダチ ケイジ (著), 森高 夕次(原著)

 最後は逆説的に資本主義社会を描く、『さよなら、カルト村。』だ。 「本作はお金のいらない社会を目指す“村”に育ち、365日無償労働させられていた著者が、かの地での経験を振り返るドキュメント・コミック。一般社会に出た後、自由に使えるお金を持てた感動やお金を稼げる喜びの描写には、マネーにまつわる究極の初期衝動が宿っています」
さよなら、カルト村。 思春期から村を出るまで

『さよなら、カルト村。 思春期から村を出るまで』高田 かや(著)

 マネー本以上にページをめくる手が速くなること間違いなし!カネの知識が詰まった3冊だ。 ・インベスターZ (三田紀房/講談社)『ドラゴン桜』の作者が超進学校を舞台に、「投資」と「お金」をテーマに描く物語。最新巻では明治時代にタイムスリップ!定価:617円 ・グラゼニ 東京ドーム編 (森高夕次、アダチケイジ/講談社)成果主義であるプロ野球の「カネ」をテーマに、試合描写より金勘定の話をメインに描く異色の野球漫画最新シリーズ。定価:617円 ・さよなら、カルト村。 (高田 かや/文藝春秋)「所有のない社会」を目指す「カルト村」で生まれ、19歳のときに自分の意志で村を出た著者が描く衝撃の実録コミックエッセイ。定価:1080円 ― このマネー本がスゴい ―