日本人バレエダンサー躍進で考える「お稽古事大国」から「職業芸術大国」への脱皮

写真/Rodrigo Denúbila

日本は「バレエ大国」なのか?

 先週、モスクワ国際バレエコンクールで日本人ダンサーが受賞した。以前からローザンヌなど有名な国際コンクールでの日本人の上位入賞の活躍は目覚ましいものがあった。吉田都、熊川哲也ら有名なダンサーもローザンヌ国際バレエコンクールで開花した。  まさに日本は「バレエ大国」として海外でも評判になっている。  何故だろうか。  まずバレエ人口の多さだろう。日本の伝統文化でもないのに、町のあちこちにバレエ教室があって、全国で1万から1万5千にも上り、バレエ人口は40万人とも50万人と言われている。少女時代の「お稽古事」として定着しているのだ。  そこに日本人特有の真面目さ、努力、練習熱心さが加わっている。そういう裾野の広さ、厚みは世界でも群を抜いている。
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バレエダンサーは職業なのか?
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