「ニトリ旗艦店」が渋谷に登場!都心に攻勢かけるニトリに勝機はあるか
ただ、その一方で、ニトリ渋谷公園通り店は規模こそ大きいものの、駅からは徒歩10分弱と少し距離があり、また大型駐車場が併設されている訳でもなく、「家具店」としてはそこまで好立地であると言い難い。もとより、この地はかつて丸井がインテリア館としての運営に失敗した建物である。ニトリでは昨年より在庫ストックスペースの狭い都心店を中心にネット通販と連動した新配送システムを導入するなど新たな試みを実施しているが、徒歩での来客が多い都心旗艦店であるがゆえに、大型家具配送サービスの更なる充実も課題となるであろう。
都市商業研究所】
若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken」
※都商研ニュースでは、今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中
・ビックカメラAKIBA、6月22日グランドオープン-「AKIBAビックマップ」形成へ
・高島屋羽田空港店、5月25日閉店-大丸も8月27日閉店、伊勢丹が制した羽田空港の百貨店競争
・GAP渋谷店、5月7日閉店-GAP日本旗艦店の1つ
しかし、それ以上の課題は「自社競合をどう避けるか」である。先述したとおり、ニトリは昨年タカシマヤタイムズスクエアにも大型店を出店したばかりであるほか、渋谷駅に直結する東急百貨店東横店内にも小型店を出店しており、開業早々自社競合が避けされない状況となる。東急東横店内などの品揃えが限られる小型店舗の顧客を大型店舗へと上手く誘導する仕組みづくりができるかも成否のカギとなろう。
いよいよグランドオープンを迎えたニトリ渋谷公園通り店。出店攻勢を続ける同社にとって初の都心単独大型店だけに、その経営手腕が試されることになる。
<取材・文・撮影/若杉優貴(都市商業研究所)>
【
ハッシュタグ