親の介護、どうすれば「介護離職」を避けられるか

<会社の介護休暇を確認>  介護休暇の日数は法律で決まっていますが、企業によっては、それ以上の期間を認めているケースもあります。自分の会社の介護休暇制度の実態を確認し、可能なものは積極的に利用しましょう。  企業にとっても介護離職は人材の損失となり、できるだけ避けたいと考えるようになりました。最近では、介護時間を確保するための時短制度の創設や、介護休暇の増加に取り組んでいる企業も増えています。介護の負担が大きいようでしたら、勤務体系の変更や職場の異動も申請しましょう。 <在宅介護がすべてではない>  在宅介護は介護度が高まるほど大変になります。介護される立場の人の中には、在宅介護を望み、施設介護には拒否反応を示す人も多いようです。また家族の中にも、施設に入所させるのは「可哀そうだから」といって、在宅介護を選ぶ人もいます。  しかしながら、介護度が高まれば高まるほど、在宅介護は難しくなります。介護離職を防ぐためにも施設入所は有効な方法です。経費の安い公営の「特別養護老人ホーム」(特養)への入居が望ましいのですが、介護度の基準をクリアしたうえで順番待ちとなり、入居条件が非常に厳しいのが現実です。  その場合、短期の入所を前提とした「老人健康保健施設」(老健)への入所など、他の施設への入居も検討すべきです。最近増えてきた民間の「有料老人ホーム」でも、地域などを選べば比較的安く入居でます。介護離職を避ける意味でも検討してもいいでしょう。  こうした流れを確認したうえで、自分の親の介護が必要になった際には、必要な準備を進めたいものです。 <文/黒木 達也> くろき たつや●経済ジャーナリスト。大手新聞社出版局勤務を経て現職 <記事提供:ファイナンシャルフィールド> ※ファイナンシャルフィールドでは、今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中 ・相続税の申告漏れ、税務調査の対象になる?新興国株や新興国債券への投資は、ハイリスク・ハイリターンなのか?4月から保険料がアップ。どう対策すればいい?
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