吉野家HDが9年4か月ぶりに1800円台へ。好調の秘密は?

 2017年2月期決算(2016年3月1日から2017年2月28日まで)で、連結売上高が1,886億23百万円(前年同期比1.6%増)、連結営業利益は18億65百万円(前年同期比15.6%増)、連結経常利益は27億50百万円(前年同期比17.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億48百万円(前年同期比49.1%増)となっている。(参照:有価証券報告書)  このように、吉野家の株価が高値更新しているのは、業績が良いからである。  2017年2月期決算では、原価率が通期36.3%と、前年より1.9%減少した。また、2018年2月期の原価率は前期比1.3%マイナスの35.0%となる見込みである。原価率が減少を続けるのが、現在の吉野家の強みとなっている。  また、吉野家ホールディングスの増収要因は、主に、「吉野家」と「はなまる」の双方がうまくいっている強みがある。2017年2月期セグメント別売上高前年差異では、「吉野家」が+1,674百万円、「はなまる」が+2,370百万円である。(参照:「2017年2月期決算説明会」)  「吉野家」の増収の主な要因は、4月に「豚丼」を復活販売したこと、5月には「吉呑み」の店舗を拡大したこと、10月には初めての大型コラボレーション企画として「スーパーフライデー」キャンペーンを実施し、今まで利用機会のなかったお客様の多くの利用があったこと、また、11月には冬の定番商品として、半日分の野菜が摂れる「牛すき 鍋膳」などを販売し好評であったことを挙げている。  一方、「はなまる」の増収の主な要因は、積極的な出店に伴う店舗数の増加による。駅前や駅ナカなどへの新立地およびショッピングセンター内への出店を引き続き進めていくとしている。季節商品を次々と販売した。6月のとろろと海鮮松前漬けを組み合わせた「海鮮松前ぶっかけ」、8月の冷たい出汁にオクラと針生姜を入れた「はなまる冷だしうどん」、など、次々とである。  もちろん、課題がないわけではない。「吉野家」に関しては、豚丼復活・地域鍋導入で客数増となるも、客数効果は限定的、商品投入サイクルに課題ありとしている。「吉野家」と「はなまる」以外では、「アークミール」はしゃぶしゃぶ業態の苦戦があり、「京樽」は回転鮨「海鮮三崎港」を出店加速するも人材育成に課題があるとしている。
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テクノロジーを駆使した「次世代店舗」
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