「上海住宅デモ」のあまりに酷い真相と、デモ参加者に届いた恐怖のメッセージ

寝耳に水の決定で怒る市民

「それまで住居になると聞いて購入していた人からしたら、突然ディベロッパーと政府が手のひらを返して逆に追い出しにかかってきたのだからたまったものじゃありませんよ。北京では数千人のデモが行われ、北京市は早々に強硬な政策を撤回しその他の都市も穏健な政策へと舵を切りました。しかし、僕がいる上海ではデモがなかったこともあり、ズルズルとこの規制強化路線のまま進んでいたんです。そんな状況に業を煮やした購入者たちはSNSなどを通じて情報交換を行い、デモを企画してついに6月10日にデモを行ったというわけです。デモの主張はごく当然のもので、 ・新しい規則を過去に遡及して適用するな ・資産の流通を制限するな ・居住は合法であると認めろ というものでした。  そもそも『投機目的の取り締まり』というのも納得できない話。もちろん投機目的の人も一部はいましたが、価格が高騰しすぎて住宅用の土地には手が出ないなか、定借期間や税金などの問題はあっても自分の家がほしかったという、中所得の善良な市民がほとんどです。せっかく手に入れた酒店式公寓(ホテル式アパートメント)を、がんばって内装して、やっと新生活を始められると思った矢先にこんなことになって、ネットでは安物買いの銭失いみたいに叩かれて……むしろ不動産バブルの一番の被害者と言ってもいい」  それが報じられたデモの顛末なのだ。  政府とディベロッパーによる横暴ともいえる施策の転換。それに対して、当たり前の声を挙げて情報交換をしていた市民に対する「情報操作」と監視と圧力……。共謀罪(敢えてこう呼ぶ)が「中間報告」で委員会を通さずに採決するという「禁じ手」を使って事実上の強行採決をされた日本からしてもだいぶ先を行っているといったところか。 <取材・文/HBO取材班>
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