たった1日で取得できる“認定資格”を不安視する声も
一方で、この「PPアドバイザー」育成について、業界関係者のなかでも一定の憂慮を示す人もいる。
実際の育成講習会は単日で行われるもので、試験等の効果測定も行われることなく「PPアドバイザー」として認定されてしまう。
パチンコホールのスタッフが、依存問題に関心を持ち、一定程度の専門知識を得ること自体は良いことであるが、実際の業務において、依存問題に悩む本人や、その家族の相談に対応出来るかといえば疑問符が付く。
勿論、「PPアドバイザー」としての役割は、あくまで「相談の窓口」であり、前述の「自己申告プログラム」の説明や、電話相談機関である「リカバリーサポート・ネットワーク」への橋渡しであり、依存問題改善に向け直接的にアクションを起こす訳ではないが、講習会に参加した全員が全員真面目に受けている確約はなく、仮にほとんど専門的な知識を持たないスタッフがいたとして、そのスタッフに相談を持ち掛けたらどうなるのか、というのも想定されなくはない。
業界側でも、今後は講習会のクオリティーの向上を課題としており、また「PPアドバイザー」に認定されたスタッフの告知(店内外のポスター等での告知、腕章等での告知)には一定の準備期間も設けることで、内側の充実を図っていく。
待ったなしで推進されていく、ギャンブル等依存症対策。パチンコ業界としては、自らの存亡にすら関わる事態であることを重々承知している。今後、より一層の対策の充実が待たれるところである。
<文・安達 夕
@yuu_adachi>